NHK の番組 「視点・論点」 で 「平成万葉集」 がとりあげられていて,すこし興味をもった.
検索してみると 「平成萬葉集
」 というタイトルの本は以前にもあった.
また,「平成いまどきの万葉集
」 という本もある.
いずれも 「昭和萬葉集」 という全 20 巻の本を意識したもののようだ.
平成万葉集は両方,買ってみたが,編集方針はおおきくちがっているようだ.
昭和萬葉集も何巻か買ってみた.
これが一番ていねいに編集されていることはまちがいないし,昭和をふりかえるにはよいとおもうのだが,アマゾンでは二束三文で売っている.
もっとも最近 (2009 年 7 月) に出版されたのは,読売新聞社で募集・編集され中央公論新社から出版されている 「平成万葉集
」 だ.
これは 250 ページくらいの比較的うすい本であり,定価は 1800 円だ.
46000 首以上の短歌のなかから 1000 首を厳選したのだという.
5 章にわけられているが,章のタイトルは 「今様」,「月日重ねて」 というような,比較的ゆるいものだ.
厳選されているので,あきずに読んでいくことができる.
これに対して,もうひとつの 「平成萬葉集
」 は短歌新聞社の 「平成萬葉集編纂委員会」 によって編纂され,リーブルという会社から 1996 年に出版されたものだ.
これは 500 ページ以上あり,各ページに 15 首,印刷されている.
これ 1 冊だけで 1 万首ちかくあることになる.
これも比較的短期 (16 カ月) に募集されたものだという.
短期にこれだけの短歌をあつめると,さすがに質はそれほどよいとはいえなくなる.
ひろいよみしていても,なかなか 「これは!」 というものにはであえないので,あきてくる.
定価は 6000 円となっているが,もう絶版になっている.
私はアマゾンで 936 円で買った.
「平成いまどきの万葉集
」 は,日本中から短歌をあつめている点では 「平成万葉集」 とおなじだが,第 11 回国民文化祭高岡市実行委員会が編纂したものだという.
230 ページほどのややちいさい本であり,1 ページに 3 首,印刷されている.
「四季」,「年中行事」,「学校・子供」 といった,より具体的なテーマで分類されているが,編集方針としては中央公論社のものに比較的ちかいということができるだろう.
定価は 1300 円だがこれも絶版になっていて,私はアマゾンで 481 円で買った.
「昭和萬葉集」 は 20 巻もあるので,とりあえず 4 巻だけを買った.
巻六 (昭和 16~20 年)
,
巻七 (昭和 20~22 年)
,
巻十七 (昭和 47 年)
,
巻十八 (昭和 48 年)
である.
巻十七,巻十八を買ったのはむしろ偶然的だが,巻六,巻七は大東亜戦争前後を意識して買ったものである.
当時のことを書いた文章のおおくは,あとになって書かれたものだが,これらの短歌は当時かかれたものであり,当時のひとびとのおもいがすなおに表現されている点で貴重なものだということができる.
各巻 350 ページくらいで,ていねいに注釈がつけられ,索引もある.
絶版になっているが,定価は 1600 円くらいだ.
それにもかかわらず,Amazon.com では 20 円以下で売っているものもある.
もうすこし注目されてもよいのではないだろうか?
コメント (2)
「過ぎ去ればいかなる日々も麗しき、されば今、今日と言う日をたじろがずあれ」
の情況を教えていただきたいのですが?
投稿者: いちかわたかし | 2011年01月13日 11:44
日時: 2011-01-13 11:44
「過ぎ去ればいかなる日々も麗しき、されば今、今日と言う日をたじろがずあれ」
の情況を教えていただきたいのですが?
投稿者: いちかわたかし | 2011年01月13日 11:44
日時: 2011-01-13 11:44