最近は論理的思考をきたえるための本がはやっている. 著者はそれに批判的であり,左脳より右脳をきたえることを提案している. パソコンをつかって検索したり整理したがる最近の知的生産のやりかたにも批判的であり,もっとふるくからある 「アナログ」 的なやりかたをすすめている.
たしかに,論理的思考をきたえてもあたらしい発想がうまれるわけではないし,パソコンをつかっても必要なときに必要な情報がとりだせるともかぎらない. しかし,あたらしい発想がうまれるのは論理的にかんがえぬいたあと,ふとした瞬間だともいわれている. この本に共感して論理的思考をなおざりにしてしまうのは危険だろう. また,著者の議論は多分に抽象的であり,あたらしい発想がうまれた現場をとらえていないので,この本の迫力はいまいちだ.
評価: ★★☆☆☆
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