八ッ場 (やんば) ダムの 「八ッ場」 というのは奇妙なつづりだ. 「「八ツ場」 の由来は 「簗場」 だった」 (Yahoo ニュース) によると,もとは 「八ン場」 だったという説もあるということだが,それが誤記されたのなら 「八ッ場」 ではなくて 「八ツ場」 になりそうなものだ. 朝日新聞や上記の Yahoo ニュースなどでは実際 「八ツ場」 とつづっているが,ほかはたいてい 「八ッ場」 とつづっている. ほかにもいろいろ説があるということで,やはり謎の地名だ.
想像をたくましくすれば,「八ン場」 を 「八ン場」 と書いたが,ちいさな 「ン」 は奇妙なので 「ッ」 とまちがえられたということもかんがえられる.
Yohoo ニュースから引用しておく.
建設中止をめぐり波紋が広がっている群馬県長野原町の八ツ場ダム。 ところで 「八ツ場」 は、なぜ 「やんば」 と読まれるようになったのか。 「地名情報資料室」 を主宰する地名研究家の楠原佑介さん(68)によると、「八ツ場」 のルーツは川を下るアユを竹のすのこを使って取る古来漁法 「梁 (やな) 漁」 にあるという。
「魚を取る時の名残としての簗場 (やなば) という地名は関東だけでも秩父の簗場鉱泉などに残っています。 地名の漢字は後から当てたものが多いのですが、『梁』 という字は難しいから 『八』 を当てて 『八ン場』 と言われていたのかもしれない。 『ン』 と 『ツ』 は文字が似ているから一回間違えて使われれば、そのまま通ってしまい、定着していた 『ン』 という読みだけが残った可能性があります」 (楠原さん)。
一方で、地元の長野原町には 「獣を追い込む八つの穴があった」 「弓矢の 『矢』 が 『八』 になった」 「谷を 『や』 と読んでそのまま 『八』 になった」 などの言い伝えも残されている。
つづりとの関係だけをかんがえれば,「獣を追い込む八つの穴があった」 という説がもっともらしい. (写真は朝日新聞から借用しました.)