フィギュア・スケート NHK 杯の一部をみた. サン・サーンスの交響曲第 3 番 「オルガンつき」 をつかっている競技者がいて,ひさしぶりにききたくなった. 20 年ほどまえにアメリカで買ったオーマンディの CD をとりだしてきてきいたが,音がわるくて,満足できなかった.
ピッツパーグに住んでいるときに BMG の 7737-2-RV という廉価版を買った. 当時,ニューヨークの Record Hunter という店 (日本にも同名の店があった) から買うのがやすかった (州がちがうのでメイル・オーダーすると州税がかからない!). 通常価格の CD (ふつうに買うとだいたい 16 ドル) が 12 ドル弱,その下のクラスが 9 ドル弱,廉価版は 6 ドル弱だったと記憶している. いまでは日本でも 600 円くらいの CD はあるが,当時の日本ではそんな値段ではとても買うことができなかった.
この CD はこの交響曲 1 曲だけがはいっていて,34 分 22 秒しかはいっていない. 廉価版でも通常はもっとはいっているので,その意味ではあまり得だとはいえない.
この CD を買ったのは,Penguin Books のレコード評をみて,廉価ななかではこのオーマンディの演奏をすすめていたからだ. オルガンは Virgil Fox.
たしかに演奏は壮大でよいのだが,なにしろ録音がふるくて,音はよくない. もうすこし,ひびきもひろがってほしい.
スピーカーから音をだしてきくぶんには,それでもよい. しかし,いまの環境ではヘッドフォンできくことになるので,欠点がめだつ. 音質に満足できないのが一番の問題点だが,さらに,マスターが磁気テープなので,低音のテープ・ノイズが気になる. たぶんオルガンの重低音を再生するために,ノイズを除去するのが容易でなかったのだろう.
いまなら,もっと巧妙な加工も可能なはずだ. おなじ演奏のもっとあたらしい CD があれば,それをきいてみるのも,おもしろいかもしれない. ところが,オーマンディとフィラデルフィアによる演奏は何枚か CD ででているものの,オルガンはいずれもパワー・ビッグスだ. それなら,たとえば Sony の CRCR 1627 がある. この CD は交響詩 「死の舞踏」 などとくみあわされているが,輸入版には 「動物の謝肉祭」 とくみあわせたものがある.
(写真は自分でとるのもめんどうなので Web からひろってきた. ちょっとちいさいが,これ 1 枚しかみつからなかった.)
2009-10-8 追記:
低音のノイズがテープに起因するものときめつけてしまったが,他のディジタル録音による演奏をきいても同様のノイズがあるので,これは空調かオルガンにおくる空気の音かもしれない.