日本の携帯電話は海外のそれとくらべると特殊な進化をしているために,ガラパゴス化しているといわれる. つまり,その機能は海外ではうけいれられていない. しかし,日本からはマンガ,アニメ,オタクをはじめ,さまざまな文化が輸出されている. メジャーになるかどうかはべつとして,ケータイ文化も輸出できてしかるべきではないのか?
マンガやオタクとくらべてケータイ文化はなぜ海外でうけいれられていないのか? それは,携帯電話がひとりでつかうものだということと関係しているのだろう. マンガはみんなで読める. オタクはそれぞれがすきなもの (メディア) を勝手にたのしんではいるが,すくなくともひとりでしかつかえないメディアではない. ビデオでもコスプレでも,みんなでみることができる.
それに対して,携帯電話は基本的に買わなければつかえない. 日本では携帯電話本体の価格がひくくおさえられていたために,多機能であっても比較的容易に入手することができた. それに対して,海外では同様のサービスが提供可能なスマートフォンは高価だ. 他人がそれをもっていても自分でためしてみなければサービスのよさはわからないので,なかなかひろまらないだろう. 日本で高機能携帯がひろまったのは,日本人特有の消費スタイルが影響しているのかもしれない. その結果ガラパゴス化がおこったとかんがえられる.
しかし,ケータイ文化がマンガ,アニメ,オタクなどと同様に日本の魅力的な文化のひとつであるとすれば,なにかそれをひろめる方法はあるはずだ. ガラパゴスの動物はガラパゴス諸島以外では生息できないかもしれないが,ケータイ文化はそんなにニッチなものではないとかんがえられる.
2009-12-8 追記:
この問題についてはつぎの本で商品の種類ごとに戦略を練っている:
芦辺 洋司 著 「超ガラパゴス戦略 ― 日本が世界で勝つ価値創出の仕掛け」 (WAVE 出版).
この問題に興味があるなら,ぜひ読むべきだろう.