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書評:社会・経済, 社会・経済:若年者問題・ワーキングプア・プレカリアート

現代日本の若者がおかれた状況のするどい分析 ― メアリー・C・ブリントン 著, 「失われた場を探して ― ロストジェネレーションの社会学」

ハーバードの教授である著者が日本の高校などで丹念にききとり調査をおこなってまとめた日本人へのメッセージである. かつて日本の若者は 「場」 のなかで就職し昇進してきた. つまり,高校を卒業すると就職先が斡旋され,就職先でも年功序列にしたがっていればよかった. しかし,いまやそういう 「場」 は崩壊してしまった.

変化してしまった日本社会のなかで若者とその周囲のひとたちはどうすればよいのか? 著者は 4 つの提案をしている. そのなかには,周囲のひとがもはや 「場」 が存在したときの生き方ができないことを悟るべきだということもあり,アメリカ社会におけるようなウィークタイズを強化するべきだということもある. 4 つともアメリカ社会が解決のヒントになっているようだ.

アメリカなどからまなべばそれで問題が解決するのかどうかは疑問だ. しかし,すくなくとも日本人にはみえにくい部分もふくめて,するどい分析をしているところにこの本の価値がある.

評価: ★★★★★

関連リンク: 失われた場を探して@ [bk1]失われた場を探して@Amazon.co.jp

注記: BK1書評Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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