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過去につながる Kindle と未来につながる iPad

Amazon はだいぶまえから電子書籍端末 Kindle を売っている. これまで発売された類似品とくらべると,かなり売れているらしい. そこに,すくなくともかたちだけみれば似ている iPad を Apple が発表した. Apple は iPad が電子書籍端末だとはいっていないが,そううけとられてもいる. しかし,そううけとろうと,うけとるまいと,2 つの端末がめざす方向はまったくちがっている.

Kindle (写真左) は電子書籍を読むことにかなりの程度,特化されている. 紙のイメージにちかづけていて,静的な文字や絵を表示する. Wikipedia を検索する機能などがついているとしても,それは基本的には本の文化,つまり過去につながっている.

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それに対して,Steve Jobs は 「米 Amazon 社の電子ブック・リーダー 『Kindle』 は失敗するだろう. なぜなら米国人は字を読まないからだ.」 と言ったという (Steve Jobs氏の挑発的な発言いろいろ). そういう Apple が発売しようとしている iPad (写真右) は Web,メイル,写真,YouTube などのアプリケーションのための端末とされている. これらは現在あるアプリケーションだが,iPad の汎用性は今後でてくるあたらしいアプリケーションを見すえているといえるだろう. そういう意味で,iPad は未来につながる端末だ.

電子書籍だけをとってみても,そこでは表現を文字と静止画だけに限定する理由はなにもない. Kindle にもスピーカーはついているようだが,なぜ動画が表示できなくてよいのか? そういう未来につながらない端末,せっせと本を買ってもやがてそれらが読めなくなってしまう危険がたかい端末を買うべきなのだろうか? iPad ならそんな制限はない.

制限をはずした 「書籍」 は Web にちかい. ちがうのはビジネスモデルだ. iPad でなら,たぶんこういうマルチメディアの世界に書籍にちかいビジネスモデルをもちこむことができるのではないだろうか? iPod が無料にさせられていたネット上の音楽の有料サービスを可能にしたように,iPad が無料だったマルチメディア・コンテンツ (Web) の有料サービスを可能にすることがもしできれば,iPod よりもっとおおきな革命をなしとげることだろう.

キーワード: Kindle, iPad, キンドル, アイパッド, Apple, アップル

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