タイトルには 「安心」 という字がふくまれているが,「安全」 に関する本である. 航空会社をはじめとして工業製品をつかいつつ顧客や従業員の安全をまもる立場にあるひとが,どうやって安全を確保するべきなのかを,できるだけ漏らさず書こうとしているようだ. 企業などの安全管理にたずさわるひとにとってはきっと得るところがある本だろうとおもう.
しかし,安全にはうるさい企業につとめている身であっても,とくに安全管理に責任のある立場にはない私にとっては,この本はむしろ退屈だった. その理由をかんがえてみると,第 1 は具体例がほとんどなくて抽象的な記述に終始していることだとおもえる. 私がつとめている会社でも安全教育はできるだけ具体例をつかうようにしているが,それには理由があるのだろう. 理由の第 2 は,この本の趣旨が工業製品の使い手による安全確保であり,著者は ANA の関連会社のひとであるから,航空機製造会社と運航会社との協力関係についての記述を期待するのだが,それがほとんどないことだ. そのためにがっかりした.
評価: ★★☆☆☆
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