独奏のヒラリー・ハーン (Hilary Hahn) 自身が書いている まえがき (Foreword) を読むと,彼女のシェーンベルクの協奏曲に対するただならぬおもいがつたわってくる. 1970 年代のシェーンベルク全集以来さまざまな演奏をきいてきたが,この曲にこれだけの多様性・色彩を感じたことはなかったようにおもう. 私自身,12 音音楽は音楽のゆたかさをいささか,うばってしまうように感じていたが,この演奏はその可能性をひろげ,みなおす機会をあたえているといえるだろう. シベリウスのほうももちろん聴くに値する.
CD: Grammophon 477 7346
評価: ★★★★★
関連リンク: シベリウス&シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲@Amazon.co.jp, シベリウス&シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲@HMV.
注記: Amazon.co.jp の 評 と HMV の 評 に投稿しています.
2010-5-4 追記:
この CD をききかえした.
シベリウスの協奏曲もじっくりきいてみた.
ヒラリー・ハーンは従来これらの曲からくみとられていたよりおおくのものをひきだそうとしているようにおもえる.
シベリウスも常識的な演奏とはすこしちがっている.
たとえば,シベリウスのイメージにはあわない南欧的な要素もそこにはあるようにおもえる.
やはり 「色彩」 ということばをあてはめてもよいようにおもえる.