鳩山内閣への支持率は低下の一途をたどり,20% をしたまわっている. 最近は普天間問題で辺野古への移設がきめられ,それによって社民党は連立を離脱してしまった. 危機的な状況をまねいた責任は鳩山首相にあるが,それでもなお,鳩山内閣を支持したい.
困難な問題が山積していることは,内閣が成立したときからあきらかだった. 普天間基地の移設にしても,自民党が何度もこころみた結果として辺野古におちついていた. 自民党だって県内に移設することがのぞましいとおもっていたわけではないだろう. ということは,再度やりなおしても成功する確率はひくかったということだ. それでもなお,それをリセットしてやりなおす,それが鳩山政権のチャレンジだった.
八ッ場ダムの建設中止にしても,中止すればやっかいな問題をかかえてしまうことはわかっていた. にもかかわらず中止をきめた. これもひとつのチャレンジだ.
民主党は政権をとって,自民党がやらなかったチャレンジをつぎつぎにやってきた. いずれもきわめて困難なチャレンジであり,それゆえに自民党が手をつけなかったものだ. たしかに,その結果は失敗につぐ失敗といっても過言ではない. しかし,失敗したからといって,経験を積んだ鳩山首相をおろして,ほかにだれが首相になるというのか? 自民党ならもっとスマートにやるとしても,スマートにやれば問題が解決するということではないだろう. それに,もはやガタガタになっている自民党に政権をもどすなんていうことはありえないだろう. 鳩山内閣だって,自民党的なやりかたがスマートだということはわかっていたはずだが,あえてそれをリセットしたわけだ. もとにもどしたら,これまでの努力はみずのあわだ.
現在の状況から出発して,なにが最善の道であるかをかんがえるべきだろう. 普天間問題にしても,こういう悲惨な状況になっているからこそ,あたらしい解決策がでてくる可能性がひらけているのではないか. 首相を辞任させても現在の状況から後退することにしかならないだろう.