NHK 教育テレビの番組に 「サイエンス Zero」 というのがある. マイナーだが最新の科学技術を紹介する番組である. この番組のひとつのおもしろい点は,大学教授や有名な哲学者などがコメンテーターとして出演していることだ. 大学教授がテレビにでるときは,たいていその専門分野がテーマになっているが,この番組では専門外のテーマへのコメントがもとめられる. そこでは,科学者のもののかんがえかたが,うきぼりにされてくる.
専門家が専門分野についてコメントをもとめられるとき,一般人はだいたい専門家の知識に敬意を表するだけでおわってしまう. 専門家が専門知識をもっているのはあたりまえだ.
しかし,科学者が専門外のことにコメントをもとめられるとき,事情はおおきくちがってくる. もはや専門知識はやくにたたない. しかし,それでもしろうとがコメントするのとはちがっている. 科学者は専門外のことにコメントするときでも,科学者としての思考回路をつかっている. たぶんそれがこの番組がねらっているところだろう.
科学は未知のものごとへの挑戦だ. 未知のことに対処するとき,科学者がどうかんがえるのか. この番組ではそれをみようとしているのだろう.
(これは当然 NHK のサイトからの引用です.)
キーワード: