英文で論文を書いたときには,できるだけ添削 (proofread) してもらうようにしている. 専門家にたのむのでコストはかかるが,それによって論文がわかりやすく,とおりやすくなるとかんがえられるからだ. 英文を書いて添削をよくたのんでいるひとには周知のことだろうが,この添削のやりかたもインターネットの発展にともなって,だいぶかわってきた.
むかしもいまもかわらないのは,添削において最善の方法は面談しながらなおしてもらうことだ. 私のばあいは週に 3 回,添削者が会社にくるようになっているので,予約しておけばこちらからでむかなくても添削をうけることができるようになっている.
しかし,面談のやりかたは以前とはかわってきた. 以前は論文をわたしてから数時間にわたって,ずっと面談するのが基本だった. しかし,これでは私は時間をとられすぎる. そこで,論文をわたしてからしばらくは席をはずすようにした. 現在ではほかのひともそうするようになったようだ. だから,添削に 4 時間かかるばあいでも,私の拘束時間は 1 時間程度でおさまるようになった.
Fax が普及してからは,面談できないときは fax で添削することができるようになった. これも,いまでも選択肢のひとつになっている. しかし,fax のほうがコストがかかる. 送受信に時間がかかるうえ,たぶん,添削者もこのほうが時間がかかるのだろう. 著者と添削者が意図をたしかめあうこともできないので,まちがえやすいから,あまりよいことはない.
現在では添付ファイルとして Microsoft Word の文書などをおくることができるから,そのほうが fax よりはよい. コストは fax よりやすい. しかし,この方法も著者と添削者が意図をたしかめあうことができないので,あまりよいとはいえない.
面談するばあいでも,以前は紙に印刷して,そこに書きこんでもらうようになっていたが,現在では Word の文書を直接添削するようになっている. これによって,とてもてまがはぶけるようになった. なおしまちがえることも,へった. だから,現在最適な方法は面談で Word の文書をなおしてもらう方法だ.
もうひとつかわったことは,リファレンスだ. 比較的最近まで,添削者がみるものは紙の辞書だった. なかにはけっこうおもい辞書をもってくるひともいた. しかし,いまでは Web の辞書や Google で検索した表現などがリファレンスとしてつかわれる.
辞書として 「英辞郎」 をつかっていて,私にもすすめる添削者がいた. たしかに,いろいろな表現がのせられていて,参考になる. しかし,最近ではあまりに用例が膨大になって,かえってつかいにくくなったようにおもう.
Google はさらに強力な武器だ. 添削者は論文の分野の専門家ではないから,専門の表現はしらない. それをたしかめるのに Web は強力な武器になっている.