著者は日本の農業が無秩序化し崩壊しようとしているという. 明治以来の歴史をたどり,自民党や民主党のくるくるかわる農政を批判している. そして,最後の章では 「日本農業の理想像」 と題されている.
この本を読めば日本の農業の問題点はいろいろとみえてくるのはたしかだが,コメ以外の作物のことはあまりみえてこない. また,農業の理想像をえがくのに成功しているとはおもえない. 理想像がえがけないのであれば,基本的にはふるい体制が崩壊するなかから,あたらしいものがうまれそだっていくのを待つしかないのではないだろうか. この本は日本農業へのレクイエムだと著者はいうが,秩序の崩壊が破滅につながるというのは悲観的にすぎるようにおもえる.
評価: ★★☆☆☆
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