著者の肩書は 「農水省食料安全保障課長」 ということであり,この本のなかで自給率,消費構造,穀物価格や需給などに関してはさまざまな統計量がつかわれている. しかし,「安全保障」 のためには 「有事」 の際になにがおこるかを定量的に検証するのが重要なはずだ. ところがこの本のなかでは,食料輸入がすべてストップしたが国内生産はいままでどおりだったらどうなるか,というような非現実的な条件でおこりうることが検証されているだけだ. もっと現実的な条件でおこりうることはなにか,それにそなえるには自給率やその他の数値がどのくらいであるべきかを検証しなければ,食料自給がどうあるべきかを議論するには不十分だろう.
評価: ★★★☆☆
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