リーマン・ブラザーズが破綻し,人口が減少しつつあって,もはや経済成長がのぞめないなかでも経済成長によってさまざまな経済・社会の問題を解決しようとする政治から個人の意識までもが批判の対象になっている. 批判の重点は近所でたすけあうような共同体的なつながりがうしなわれてしまったひとびとのありかたに向かっているようにみえる. それは政治・経済というよりは個人の倫理の問題だろう. にもかかわらず 「経済成長」 を本のタイトルにしているところに違和感を感じる. 個人の意識から改革していかなければならない長期的なながれと,きょう,あるいはあすの雇用を確保するための経済成長とをいっしょに論じているところには,無理があるとおもわざるをえない.
評価: ★★☆☆☆
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