尖閣諸島沖での衝突事件でつかまっていた中国人船長が突如,釈放された. 検察の判断で釈放したというコメントがだされているが,まったく不可解だ. 海外のメディアは 「日本が白旗」 というような報道をしている. こんな解釈がされるようなことを日本政府はゆるす (する) べきでなかった.
尖閣諸島は日本の固有の領土である. アメリカのクリントン国務長官も,尖閣諸島が日米安保の対象区域だとコメントした. そこで発生した事件に関して,とりしらべが完了するまえに容疑者を釈放するなどということは,まったく,すじがとおらないことだ.
中国が冷静に対応するなかでおこったことであれば,影響はすくないだろう. しかし,まさに中国がさまざまな方法で圧力をかけてきている最中に釈放したのだから,日本が弱腰だという印象を各国にあたえることは,さけられないだろう.
仮に政府がこの対応が適切でなかったとみとめたとしても,釈放した船長をまた拘束することはもはやできない. しかし,国民が政府の対応を批判すれば,今後,中国がこの種の問題でさらにつよくでてきたときに,政府がまた弱腰の対応をするのをふせぐ意味があるだろう. 今回の政府や検察の対応はつよく批判されるべきだ.
それから,衝突事件が問題にされてからの中国のうごきをみると,レアアースのように中国への依存度がたかい貿易産品が,中国によって武器としてつかわれる危険があることがはっきりした. レアアースも現在採掘しているのは中国だけだとしても,他の国にも埋蔵されているらしい. ぜひともそれを開発して,中国だけに依存している状態から脱却することが,安全保障上も非常に重要であることを身をもって体験したわけだ. 政府にはぜひとも対応策をとってもらいたい. (写真は海上保安庁の Web ページから転載したものです.)