シャープが 「ガラパゴス」 という電子書籍リーダを発表した. 「ガラパゴス」 という名は,シャープが日本固有の本の文化をできるだけまもっていこうという姿勢をあらわしているといえるだろう. 縦書きをはじめ,禁則処理,ルビ,外字など,日本固有のものはいろいろある. 電子書籍において,これらをどこまでとりいれていくのか… これらをすべてとりいれれば事実上,世界共通のフォーマットの採用は不可能になる,つまり 「ガラパゴス化」 せざるをえなくなるだろう. それがシャープがめざす道なのだろうか?
シャープはさまざまな電子書籍のフォーマットのあいだの変換を可能にするという. しかし,日本固有のものをすべてとりいれれば,その変換は不完全なものにならざるをえないだろう. 日本固有の要素をふくまなければ変換はできるが,固有の要素は変換できずにのこる,あるいは標準フォーマットとしては定義されているが,変換すると表示できなくなるということがおこってくるだろう.
変換できないものも 「ガラパゴス」 をつかえば表示できる,それによって日本固有のものをまもるという方向にいくのだろうか? もしそうだとしても,それは 「ガラパゴス」 だけでなく,日本の他の電子書籍リーダでもおなじように表示されるようになるのだろうか?
キーワード: ガラパゴス現象