著者は長年,富士通の特許部門にいた (つまりは特許をひとに書かせる立場だった) という. だから本書では,どうやってアイデアをだし,どうやってそれを特許にまとめていくかという点に関するさまざまな方法がまとめられている. 企業人にとっても,「まちの発明家」 にとっても,参考になる点があるだろう.
だが,企業で研究開発にたずさわるもの (つまり特許を自分で書く立場) にとっては,ちょっとずれを感じる. 著者は特許の有効性をたかめるために,その適用範囲や目的をずらすことをすすめている. しかし,開発した製品や技術をまもるために特許を書くときには,ずらせないものがある. その制約のなかで有効な特許を取得することが課題となっている身には,本書はちがう世界のもののように感じる.
評価: ★★★☆☆
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