iPad 上の電子書籍アプリケーションのいくつかは,電子書籍のリストを表示するのに 「書棚」 のメタファーをつかっている. しかも,表紙がみえるようにならべるようになっている. ハードウェア版の Kindle においてはリストは文字だけで表示されるが,iPad 版の Kindle ソフトウェアにおいては,iBook とよく似た 「書棚」 がつかわれている.
表紙がきちんとデザインされた電子書籍であれば,たしかにこの方法で本を直感的に検索することができる. しかし,iPad に保存された電子書籍の数がおおくなれば,この方法ではさがせなくなるのは,あきらかだ. そういう意味でこのインターフェースには拡張性 (スケーラビリティ) がない.
ふつうの本棚にもっともちかいインターフェースは,本の背をならべる方式だ. このタイプもよくある. 本のおおきさや厚さの感覚がつたわる点では,文字だけのインターフェースよりはよくできている. しかし,図書館のようにきちんと分類するのでなければ,電子書籍の数がふえれば,このインターフェースでもさがせなくなる. これは iPad や Android のアプリケーション・リストについてもおなじだ.
結局,もっとも汎用的なインターフェースは検索ということになるだろう. 通常つかわれるのは書誌情報による検索だろうが,全文検索ももちろん有用だ.
さらには,上記のようなさまざまなインターフェースや検索法をくみあわせることができる. 書店にいけば,平積みの本もあり,表紙をおもてにして書棚にならべた本もあり,背をみせてならべた本もある. 電子書籍のばあいも,なんらかの基準でこれらのインターフェースをくみあわせるのがよいだろう.
(写真は Business Insider から借用しました.)