アメリカの現代作曲家ジョン・アダムズ (John Adams) が 2000 年ごろに作曲したオペラ 「エル・ニーニョ (El Niño)」 の DVD をきいた. だいぶまえに買ったまま,きいていなかったものであり,現在ではやや入手しにくくなっているようだ. しかし,2011 年現在,Amazon.com では入手可能である
日本ではほとんど売っていないとかんがえられるが,日本語字幕もついている.
全編,字幕がついていることを期待したが,実際には英語字幕もふくめて,たまにおもいつきでつけられているようにみえる.
うたわれる言語は英語,スペイン語のほかラテン語もあるという.
なので歌詞の意味はわからない部分がおおい.
解説書はあまり親切でない.
その点では作曲家や演奏家のインタビュー・ビデオがもっとも情報がある.
キリストの生誕とそれ以外の女性の出産がかさねあわせられ,テーマになっている. 登場人物はすくないが,そのなかで中心となっているのが Mary (メアリ) だ. Mary は Maria や marriage (結婚) を意味しているのだろう. 聖書に題材がとられているので,キリスト者でないものには,またアメリカ人より日本人のほうが,理解するのに不利だということはできる.
この作品は映像をともなっているが,この演奏においては歌手たちのうえのおおきなスクリーンにそれがうつしだされている. DVD では両方をうつすことが困難なので,両者をきりかえながら,うつしている.
登場人物はすくなくて変化もすくないが,音楽と映像はさまざまに変化する. その変化と,十分には理解できないものの,象徴化され多重化された表現とをたのしむことができた.