すぐパイプがちぎれる ! ― Waterpik の修理
歯のあいだにはさまったものをとるのに Waterpik (ウォーターピック) をつかっている. Waterpik の欠点は,まずこわれる場所がきまって水をはこぶパイプだということだ. しかも,このパイプをとりかえるのばむずかしい. いままでメーカー指定の方法でうまく修理できたことがない. パイプのこわれていない部分にあたらしいパイプをつぎたすという方法をためしてみた.
歯のあいだにはさまったものをとるのに Waterpik (ウォーターピック) をつかっている. Waterpik の欠点は,まずこわれる場所がきまって水をはこぶパイプだということだ. しかも,このパイプをとりかえるのばむずかしい. いままでメーカー指定の方法でうまく修理できたことがない. パイプのこわれていない部分にあたらしいパイプをつぎたすという方法をためしてみた.
出張で St. Maarten (シント・マーテン,セント・マーティン) というまちにきて,まちなかをあるいていると,よく変化する広告看板をみかけた. 日本ではあまりみないものだ. 日本では最近,デジタル・サイネージがはやっているが,こういう “アナログ・サイネージ” の文化があるのとないのとで,デジタル・サイネージがうけいれられるかどうかがきまってくるのではないだろうか?
ハーグ条約に批准するべきかどうか,日本では賛成・反対が相なかばする状態になっている. ハーグ条約では,国際離婚したとき勝手に出身国につれかえられたこどもを配偶者のもとにもどすことをさだめている. 反対派はそれが日本の習慣や法律などにあわないことを理由に批准するべきでないとしているようだが,国際結婚をみとめる以上は国際的なルールが必要であり,すくなくとも出発点はハーグ条約しかないから,批准するべきだろう.
越後妻有でひらかれる 「大地の芸術祭」,その企画や作品の制作,地元住民との交流などを作品中心にえがいている. ここでえがかれた芸術祭はすでにおわっているが,作品をみただけではわからないさまざまなエピソードを知ることは,つぎの 「大地の芸術祭」 をみるときに参考になるだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 大地の芸術祭@ , 大地の芸術祭@Amazon.co.jp.
明治以来の日本の教養主義について書いている. 旧制高校に発したエリート学生文化における教養主義はやがてマルクス主義にとってかわられていく. 1930 年代にマルクス主義が弾圧されるようになると教養主義が復活するが,戦後はふたたびマルクス主義とのむすびつきがつよくなる. しかし,石原慎太郎に代表されるあたらしい世代は教養主義ともマルクス主義とも距離をおく. 戦後つぎつぎに新設された文学部に教養主義はささえられるが,全共闘運動のあと 1970 年代にキャンパスから駆逐されていく. そして,教養主義への反乱を最終的に完成したのがビートたけしだと著者はいう.
終章で著者は現代の大学生が人間形成の手段として従来の人文的教養ではなく,友人との交際を選ぶ傾向が強いこと,そして前尾繁三郎や木川田一隆にみられるように教師や友人などの人的媒体が教養がやしなわれる場として重要であり,これからの教養を考えるうえで大事にしたいと書いている. 教養主義が没落したといっても,今後もべつの教養主義がいきのこっていく可能性を指摘しているといえるだろう.
この本には海外の教養主義についての記述もわずかながらみられるが,ほとんどの記述は日本にフォーカスしている. 海外とのつながりについて,もうすこし語ってほしかった.
評価: ★★★★☆
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さまざまな企業からの依頼をうけて魅力的な製品をうみだしているデザイン会社 IDEO が話題の中心だ. GE, P & G, Apple などの会社にもふれている. そして,この本の中心は IDEO にみられる創造のプロセスの著者の体験にもとづく解説だ. そこでは,創造性は個人の才能ではなく方法でありマネジメントの問題だということ,プロトタイピングと,フィールドワーク,エスノグラフィーの重要性と手法などが記述されている. フランク・モスにひきいられる MIT メディアラボにおけるプロトタイピングの方法も記述されている.
こういうあたらしい方法はとくに日本の大企業にはうけいれられていないという. 会社がうけいれないなら,個人で経験する方法はないものかとおもう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: デザイン思考の道具箱@ , デザイン思考の道具箱@Amazon.co.jp.
冒頭に 「いいものさえつくっていれば売れる」 というまちがったかんがえに編集者はおちいりやすいと書かれている. 製造業といっしょだ. しかし,実際には編集者がいいとかんがえても売れない本はたくさんある.
この本でとりあげられているのは 「売れる」 本や雑誌たちなのだろう. しかし,この本に書かれているのは編集者がなにをかんがえて本や雑誌をつくってきたかだ. それらがなぜ売れたかはこの本を読んでもわからないし,おなじことをやってももう売れないだろう. たしかにおもしろい話はいろいろあるが,どううけとめたらよいのだろう.
最初の版は 2006 年に出版されているが,電子書籍を意識せずに書けた最後の時代かもしれない.
評価: ★★★☆☆
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カリブ海のちいさな島 St. Maarten (セント・マーティン,シント・マーテン) に学会発表のためにいって,Travel Inn (トラベル・イン) というホテルにとまった. 滞在中にブログにいろいろ書いたが,ホテルについてはわずかしか書かなかった. あらためて,すこしこのホテルについて書いておこう.
海外出張にいっているあいだに自宅の 32 インチのテレビにたてじまがでるようになった. 2008 年に買ったものだが,しらべたところ,その年のうちにリコールがかかっていたことがわかった. そういうわけで,液晶パネルは無償交換してもらって,故障はもちろんなおり,画面はまえよりあかるくなった. これで,故障しなかったばあいとくらべても,寿命がのびたのだろう.
DIY にはさまざまな電動工具が欠かせない. そのなかでも,ネジをしめるために欠かせないのが電動ドライバーだ. ドリルと兼用のドライバーもあるが,手になじむのはインパクト・ドライバーだ.
こどものへやにおくためのクローゼット (製品名は 「ルーバー折れ戸ロッカー」 WR-150 ― カギがついていないのになぜロッカーなの?!) をくみたてた. そのへやには十分な場所がなくてくみたてられないので,ほかのへやでくみたてて運搬しようとした. しかし,いろいろ障害があって,結局,足の部分を 6 cm ほどきりおとして,たかさを 200 cm から 194 cm にする必要があった. おもわず,いろいろ電動工具をつかってしまった.
たくさんのネジをしめる必要があるとき,Black & Decker の充電式のインパクト・ドライバーをつかっている. ところが,このドライバーの電源がはいらくなった. そこで,やむなく,ドリルと兼用のもうひとつの電動ドライバーをつかうことにした. あまりありがたくはないが,これでも一応ひととおりのことはできる.
最近買ったブルーレイ&ハードディスク・レコーダで母が G コード予約をしようとして,うまくいかなかった. すけっとのはずの私にも,どうすればよいのか,よくわからない. アナログ時代にはジェムスター (Gemstar) のリモコンが便利だった G コードだが,地デジにはうまく対応していないので,むずかしいようだ. しかし,それだけの問題ではなくて,やはりレコーダのインターフェースにも問題がある.
著者はこの本を書くにあたって何百の本,何百メガバイトのオンライン・メッセージを読んだという. それらからえられたことが 6 つの章にまとめられている. 各章のテーマは明確だが内容は章内でも種々であり,よみおわってみるとそこから著者の明確なメッセージをうけとることができない. 10 年前には集大成として価値があったかもしれないが,その後のおおきな変化をかんがえれば,もはや,やくわりを終えた本なのだとおもえる.
評価: ★★★☆☆
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著者はグーグルのこともよく知らなかったが,自著の本の著作権がおびやかされていることを知って怒り,すぐに行動をおこす. そして,「黒船」 がうちはらわれるまで,ずっとたたかいつづける. この本はその過程を書きつづったものだ.
「グーグルブック検索事件」 に関して第 3 者が書いた本はいろいろあるが,当事者のナマの声はそれらとはちがって,読者につよくひびく. もちろん,当事者だからこそ知っていることもある. この事件そのものは,もはやすぎさったことだ. しかし,今後のグーグルをみる視点としてもやくにたつだろう.
評価: ★★★☆☆
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かつては科学のことは科学者がきめていればよかったが,現代においては科学技術が政治や社会におおきな影響をあたえ,非専門家が科学研究のすすめかたにおおきくかかわるようになっている. 本書は,高速増殖炉もんじゅや BSE などを例としてとりあげつつ,そういう 「トランス・サイエンス」 のながれを追っている.
著者は 1970 年代がこういうトランス・サイエンスへのおおきな転換期だったという. しかし,それではなぜこの本が 2007 年に書かれなければならなかったのか,その理由がわからない. トランス・サイエンスの時代への変化は数 10 年あるいはもっとながい期間を要するものだということかもしれない. しかし,2000 年代の話題をとりあげつつも,この本がどちらかといえば過去の変化をかたっていることに,かるい失望感をおぼえる.
評価: ★★★☆☆
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専門家ではなく IT ジャーナリストが書いた AR 論だ. だから,AR の技術よりは社会,とくに広告などのビジネスが中心の話題になっている. セカイカメラやそれに類するサービスにかなりのページがさかれているが,こういうサービスはセカンドライフと同様にあまりパッとしない.
むしろ,本書でもふれられている 「AR 空間を整備することで,現実空間の人の流れを意図的に変えようという試み」 のほうが興味ぶかい. つまり,AR をみているひとの数はかぎられているので,他のひとにどれだけ影響をあたえられるかが勝負だとおもえる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: AR@ , AR@Amazon.co.jp.
JR 北海道では道路と線路の両方を走行することができる DMV (デュアル・モード・ビークル) の開発に成功した. DMV は過去にさまざまな国で開発がこころみられたが,短期間しかつかわれなかったという. JR 北海道で開発に悪戦苦闘したさまがえがかれているが,いくつかの好条件にめぐまれて,楽観はできないものの,成功へのみちをたどっているようだ. ベンチャーのひとつの例として,まなぶべき点がいろいろあるようだ.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 線路にバスを走らせろ@ , 線路にバスを走らせろ@Amazon.co.jp.
パソコン上で数式などを書くとき,「プラス」 の文字つまり 「+」 にはあいまいさがないが,「マイナス」 に関してはいつも,まよう.
ちかごろの President は,およそそのなまえとは相いれないことを特集していると感じてきた (以前はそうでなかったような気がするのだが…). 「年収 1500 万円の勉強法」 とか,「金持ち家族,貧乏家族」 とか,「いる社員,いらない社員」 とか,なんでこんなシミッたれたタイトルの特集を組むのか… そういう President がひさびさにそのタイトルに恥じない特集 「孫正義の白熱教室」 を組んだ. これならば,president (社長) から一般社員まで,いろいろまなぶことができる. 今後もこういう特集を期待したい.
評価: ★★★★☆
関連リンク: PRESIDENT@Amazon.co.jp.
自分で麦茶をつくって,1 リットルのペットボトルにつめて,会社にもっていっている. 最近それにくわえて,日本茶もつくって,もっていくようになった. コンビニではだいぶまえから 2 リットルのお茶を買っているが,自宅でいれるときは少量だけいれるものだという意識がぬけていなかった. それをやぶったのは NHK の番組 (ためしてガッテン) だ. まだ水やお茶の量や温度の管理のしかたも確立されていないが,だんだん確立されていくだろう.
打楽器中心で室内楽的にはじまるジェニファー・ヒグドンの協奏曲の第 1 楽章. ヴァイオリン協奏曲のイントロとしてはめずらしいが,いい雰囲気だ. 冒頭にかぎらず,第 1 楽章は打楽器のひびきがうつくしい.
第 2 楽章は弦楽器が中心のひびきだが,やはり協和的な,なつかしい感じだ. 第 3 楽章はときどき全楽合奏にはなるが,たいていオーケストラはしずかに独奏ヴァイオリンのひきたて役にまわっている. ヒグドンはアメリカでは現代曲のなかでもっとも演奏機会がおおいというが,その理由がわかるような気がする.
チャイコフスキーもていねいに,のびのびとひいているが,特別につよい印象はうけなかった. これみよがしにひかないところがヒラリー・ハーンの演奏のいいところということだろう.
CD: DG 4778777
評価: ★★★★☆
関連リンク: DG 4778777 @ Amazon.co.jp
太平洋戦争末期には配給も激減してまともなものがたべられなくなったことは,以前からいわれているとおりだ. おもしろいのは戦時下でももっと余裕があったころだ. もともとゆたかではなかった一般国民の食卓に 「代用食」 なるものがはいってきて,むしろたべものの幅をひろげているようにもみえる. とはいえ,婦人雑誌のレシピは国民がほんとうにたべていたものとはちがうから,そこはくべつするべきなのだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 戦下のレシピ@ , 戦下のレシピ@Amazon.co.jp.
謝辞によるとフェイスブックの日本語公式ガイドに 「あったことのない人は友達リストから消そう」 と書いてあるということだが,著者は会ったことがないひとともどんどん友達になることをすすめている. メイリングリストでもそうだが,会ったこともないひとをリストにいれて,そのうち気がむいたらオフ会をやればいいのだろう.
この本にはモノクロだが画面コピーが多数のせられていて,イメージがつかみやすくなっている. ただ,私にはさほど興味がないゲームの画面が何 10 枚もならべられているのには,どうかとおもった. 新書だから,どっちみちすべては書けないが,もうすこし幅をひろげて書いたほうがよいようにおもう.
評価: ★★★☆☆
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電子出版,電子書籍をめぐる雑然とした状況と著者のかんがえを記述している.
著者は電子書籍のフォーマットはあまり重要でないといい,標準フォーマットである EPUB を利用するのが賢いというラディカルなかんがえを書いている. EPUB には日本語固有の縦書きやルビの機能がないが,(日本の文化を無視して) 「この際,日本語も全部横書きでいい」 というような乱暴なことまでいう. また,「既存の紙出版の概念をいったんチャラにしなければならない」 とも書いている.
一方で,これまで本の販売にかかわってきた書店だけでなく出版社までが生き残れない 「中抜き」 の問題をあつかっているが,「やはり出版社の役割は大きい」と結論づけている.
この本じたいも雑然としているし著者のかんがえにあまり賛同はできないが,日本の 「常識」 にはとらわれていないといえるだろう. 通読することでみえてくるものもあるようだ.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 電子出版の未来図@ , 電子出版の未来図@Amazon.co.jp.
上海租界にはイギリス人,アメリカ人,ロシア人,ユダヤ人,日本人,そして中国人がいた. おもに,自由な雰囲気があった 1930 年代までの上海について,それぞれに 1 章ずつあたえて書いている. 内容はそれぞれの国民というよりは,彼らがもたらした文化に重点がある. 日本人についても,山田妙子というダンサーや,朝比奈隆,服部良一という音楽家,山口淑子という女優などがとりあげられているが,「文化建設という点においては欧米に遠く及ばない」 と認識されていたという.
現在の上海を観光してこういう時代にふれるのはむずかしいだろうが,この本を参考にして,ぜひ,こころみてみたいとおもう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 上海@ , 上海@Amazon.co.jp.
このアルバムにはジェニファー・ヒグドン (Jennifer Higdon) の室内曲がおさめられている. ヒグドンという現代作曲家は現在アメリカでもっともよく演奏されるが,もともとフルート奏者として出発したということだ. このアルバムではフルート独奏や合奏の曲を自作自演している. この CD はだいぶまえに買ったものであり,いまは入手困難なようだ.
タイトルになっている最初の曲 Rapid Fire は独奏曲だが,息づかいも荒く,ちょっと余裕のない演奏だ. 名手に演奏させれば,もっとこの曲のよさがでるだろう.
全般に,現代曲のなかでは協和的なひびきだが,そのなかに打楽器などがとけこんで,色彩をそえている.
CD: Virtuosi IVR 501
評価: ★★★☆☆