かつては科学のことは科学者がきめていればよかったが,現代においては科学技術が政治や社会におおきな影響をあたえ,非専門家が科学研究のすすめかたにおおきくかかわるようになっている. 本書は,高速増殖炉もんじゅや BSE などを例としてとりあげつつ,そういう 「トランス・サイエンス」 のながれを追っている.
著者は 1970 年代がこういうトランス・サイエンスへのおおきな転換期だったという. しかし,それではなぜこの本が 2007 年に書かれなければならなかったのか,その理由がわからない. トランス・サイエンスの時代への変化は数 10 年あるいはもっとながい期間を要するものだということかもしれない. しかし,2000 年代の話題をとりあげつつも,この本がどちらかといえば過去の変化をかたっていることに,かるい失望感をおぼえる.
評価: ★★★☆☆
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