電子出版,電子書籍をめぐる雑然とした状況と著者のかんがえを記述している.
著者は電子書籍のフォーマットはあまり重要でないといい,標準フォーマットである EPUB を利用するのが賢いというラディカルなかんがえを書いている. EPUB には日本語固有の縦書きやルビの機能がないが,(日本の文化を無視して) 「この際,日本語も全部横書きでいい」 というような乱暴なことまでいう. また,「既存の紙出版の概念をいったんチャラにしなければならない」 とも書いている.
一方で,これまで本の販売にかかわってきた書店だけでなく出版社までが生き残れない 「中抜き」 の問題をあつかっているが,「やはり出版社の役割は大きい」と結論づけている.
この本じたいも雑然としているし著者のかんがえにあまり賛同はできないが,日本の 「常識」 にはとらわれていないといえるだろう. 通読することでみえてくるものもあるようだ.
評価: ★★★☆☆
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