3 月 13 日の産經新聞の社説では,今回の巨大地震がもとになって発生した福島の原発爆発事故がとりあげられている. タイトルは 「安全軽視が招く重大事態」 となっている. 内容を読んで唖然とした. とても,まともな新聞が書く社説だとはおもえない.
この社説のなかでは政府が十分に迅速な対応をとれなかったことを批判し,緊急炉心冷却装置 (ECCS) がはたらかなかったことを問題視している. それが問題であることはたしかだが,社説ではさらに「基本的な安全手続きを軽視したことから起きたとすれば,言語道断だ」 と書いている. しかし,「基本的な安全手続き」 がおこなわれなかったのかどうかについては書いてない.
いままできいたかぎりでは,安全手続きが不適切だったという証拠はなにもない. にもかかわらず,勝手な憶測で 「安全軽視が招く重大事態」 とか 「言語道断」 というようなことばをつかうのは無責任もはなはだしい. 原発に関しては,発生した事故や事象をきちんと公開しなければならないことはもちろんだが,このような憶測にもとづく批判もさけなければならない.