福島第 1 原発事故の影響で,各地で水道水が汚染されている. 乳児以外はほとんど影響がないレベルだというが,乳児の親などに不安をあたえている. 東京都では一時 23 区全域で汚染の可能性があるといわれた. なぜこのように広域で問題がおこるのか,かんがえてみよう.
東京都で問題が発生したのは金町浄水場,それも 2 日間だけだ (「水道水の放射能測定結果について」 参照). それなのに,多摩までふくむ地域が警戒の対象になった. 多摩といえば多摩川水系の水をつかっているとばかり,おもっていた. 私が住んでいる中野でも,そうだとおもっていた.
実際,これらの地域では多摩川水系の水のほうがおおくつかわれているのだろう. しかし,安定的な供給などのために,ひとつの地域に複数の川からの水が供給できるようになっているのだろう (ほんとうはもっとはっきりしたことが書きたいが,いまは想像にたよっている). そのため,汚染された水が広範囲にとどく可能性がでてきているということだ
この問題は中国でおこったメラミンいりミルクの事件に似ているところがあるし,サブプライム危機にも似ているようにおもう. つまり,メラミンがはいったミルクの量がふえたのは,各地で生産された原乳がまぜられたために,メラミンがはいっていたのは一部の原乳だけであるにもかかわらず,メラミンいりミルクが大量に生産・販売されることになってしまった. そして,サブプライム危機では危険なローンの数はかぎられていたにもかかわらず,それが他の金融商品とまぜられたために,危険な商品の数がふえてしまった. ミルクの汚染,金融商品の汚染の範囲を限定し画定することができれば,あれほどのさわぎにはならずにすんだだろう.
水道水の汚染はまだそこまでおおきな問題にはなっていない. 東京ではまだ 1 回,汚染が確認されただけだ. しかし,今後もこのようなことがおこりうることをかかんがえれば,汚染の範囲をせばめる方法があるべきだろう. (写真は あるきメデス から借用させていただきました).