東日本大震災の情報をあつかうのに Twitter (ツイッター) がよくつかわれる. それは,単にいま Twitter がはやっているからなのか? いや,そうではなくて,ラジオの時代から災害時のメディアにもとめられてきたものが Twitter にはあるからだ.
「災害情報論入門 (シリーズ災害と社会 7)」 という本 (第 3 部 「ラジオと災害報道」) のなかで,阪神淡路大震災におけるラジオ放送について,つぎのような記述がある.
「被災地のリスナーから電話などで寄せられた内容を大別すると次のようになる.
1. 自分の気持ち [中略], 2. 近隣の被害 [中略], 3. 二次被害を防ぐ [中略],4. 支援を求める [中略],5. 支援を申し出る [中略]
人員の少ないラジオにとって,リスナーからの電話は貴重な情報源となった.」「リスナー情報が重要だということは,阪神・淡路大震災の 9 年後に起きた 2004 年新潟県中越地震でも証明された. 中越地震は中山間地が被災したため,重要なポイントは 「道路の寸断で孤立している集落がないか」 だった. しかし,状況はなかなかつかめない. 地元新潟放送のラジオはリスナーからの電話やメールを総合し,山間部を通るある道路が通行できなくなっているのではと気づいた. そこで記者が取材に駆け付け,道路の寸断をいち早く報道できたという.」
いまは電話のかわりに Twitter,ラジオのかわりに Twitter 検索やまとめサイトがつかわれるようになったということだろう. 巨大な災害になればマスコミがすべての情報をながすことはできないし,リスナーがつたえる情報も膨大になって,電話ではつたえられなくなり,また放送局があつかえる範囲をこえてしまう. Twitter なら,それをあつかうことができる.