震災復興の資金をどうやって調達するかが課題になっている. 増税や国債が案としてあがっているが,株のようなものを発行することはできないだろうか?
資金調達のひとつの案は増税だが,とくに一般国民への増税は経済を悪化させて逆効果になるという意見がつよい. もうひとつの案は国債であり,これが目下,有力な案となっている.
しかし,国民のなかには国債を買う資金をもっているひとがいるにもかかわらず,その資金を国が借金して復興資金にしなければならないというのは,腑におちない. 国民や企業がもつ資金をもっとべつのかたちで復興につかうことはできないものだろうか?
企業のばあい,国債に相当するのは銀行からの借入金や債権だ. これらを発行することは企業の経営をむずかしくする. それに対して,株の発行は経営を安定させるということができるだろう.
震災復興に関して株のようなものを発行することができれば,国の財政を悪化させずにすむ. ここで株のようなものとは,リスクを国債のように国が負うのではなく,出資者が負う,そのかわり税金のように支払うとかえってこないものではなくて,なんらかのみかえりがあるものということだ.
復興がうまくいけば復興資金は価値をうみだす. その価値の一部を出資者にかえすことができればよい. 国民が税金をいやがるのは,支払ったものが 「とられる」 つまりかえってくることがないからだろう. 利子をつけてかえすのはむずかしいだろうし,損する可能性はたかい. しかし,それでもある程度は出資金がかえってくるということならば,だすひとはすくなからずいるのではないだろうか.
2011-5-13 追記: 株ではないが,おもにミュージシャンに個人の資金を提供してきた Music Securities は被災地の小規模事業者に資金を提供するためのファンドを運営している. まだ参加しているのは 6 事業者だけだが,今後に期待したい.