アマゾンの書評のなかにはかなり 「ハイレベル」 のものもすくなくない. そういうものを読むと,読んでも歯がたたなかった本について,自分が不勉強だからいけなかったのだとおもいそうになる. しかし一方では,わからないのはその本がわるいのだという書評もある. その本が新書のような一般向けのシリーズにふくまれているときは,そうかんがえるほうが自然だろう. というわけで,そういう書評に勇気づけられて,私自身もそういう本にむしろ批判的な書評を書いた.
NHK ブックスの 「日本的想像力の未来 ― クール・ジャパノロジーの可能性」 は国際シンポジウムの内容を本にしたものだ. そういう,この本のなりたちからして,やむをえない部分もあるが,なかなか難解な本だ.
アニメやマンガをきちんとフォローし,それら関する議論をフォローしている読者なら,この本を理解することができるのだろう. しかし,どちらにもちゃんとついていっていない私は,消化不良におちいらざるをえなかった. そういう状態で,この本の 3 行書評を書こうとした.
まずうかんだのは,消化不良をおこしているのに書評など書けないだろうというかんがえだ. すでにアマゾンに投稿されている書評をみると,上位にあるのは 「ハイレベル」 なものだ. それをみると,ますます書きづらくなる.
しかし,もっとみていくと,こんな本は NHK ブックスとしてはふさわしくないという意見がある. また,批評というのは一般人にひらかれているべきなのに,難解でそうなっていないという批判もある. そういう意見に勇気づけられて,私もこの本への批判を書くことにした.