ガレキ運搬ボランティアでは一輪車のバランスに注意!
石巻でボランティアを経験して,ガレキや土嚢を運搬するときは腰をいためないために注意したほうがよいことがわかった. いつも一輪車で運搬しているひとには常識だろうが,つかいなれないひとは私だけでなく,わかいひとのなかにも腰がいたいといっているひとがいる. そうならないための注意だ.
石巻でボランティアを経験して,ガレキや土嚢を運搬するときは腰をいためないために注意したほうがよいことがわかった. いつも一輪車で運搬しているひとには常識だろうが,つかいなれないひとは私だけでなく,わかいひとのなかにも腰がいたいといっているひとがいる. そうならないための注意だ.
古川と石巻の間に 「谷地 (やち)」 がつく駅が 2 つある. なにかいわれのある名前かとおもってしらべてみると,「谷地」 は特定の場所をあらわしているのではなくて,湿地を意味しているらしいことがわかった.
腰痛のため,石巻でのボランティアをやすんで,気仙沼までいくことにした. 気仙沼線がつかえないため,一ノ関から大船渡線でいくことになる. もともとは気仙沼にいく予定はなかったが,とまっていた古川から列車でいけることがわかったので,いってみることにした. ここではその列車のようすを書くことにする.
腰痛のため石巻でのボランティアをやすんで,気仙沼までいくことにした. 気仙沼の中心部は石巻にくらべるとせまい. そのため,津波の被災地をひとめぐりすることができた. 津波をかぶったあと,夜間に気仙沼のまちがもえている写真は目にやきついている. しかし,現地でみてみると被害は石巻よりはかるいようにみえる. まるやけの船はいまものこっていたが,まちなかの火災はそれほど延焼していないようにみえた. 原形をとどめている建物は石巻の海岸付近よりはおおい.
石巻でボランティアをしているとき,個人宅でのガレキかたづけの際に,だれのものかわからない写真のフィルムやプリントがあった. 私はみつけたフィルムをすてるにしのびないので,わきにのけておいた. しかし,プリントをみつけたけれど,だれのものかわからないので,すてているひともいた.
石巻でボランティアをしてみて,ボランティアの限界を痛感する. ボランティアにはプロの仕事はできないし,援助が必要でも要請のないところにははいっていけない. しかし,ポランティアだからできることもある.
石巻でのボランティアを中心とするこの旅行の最後に,仙台市の被災地をこの目でみてきた. 当初予定では名取市や岩沼市までみてくる予定だった. しかし,予定より時間がかかり,またカメラや携帯の電池もなくなったので,仙台市だけにとどめることにした. これらの地域でボランティアをすることもかんがえていた. しかし,あまり県外からのボランティアを期待していないようであり,また腰痛をおこしたこともあって,みるだけにとどめた.
iPhone 4 のカメラ機能には HDR という機能がついている. 3 枚の写真を連射して写真の,あかるすぎたり,くらすぎたりして,つぶれてしまった部分を補正してダイナミックレンジをひろげる機能だ. 通常はこれでよりみやすい写真がとれるのだが,ときどき不思議な写真がとれる. ここでは,いくつかのふしぎな写真をしめす. どの写真も,クリックするとフルサイズの写真をみることができる (これらの写真は仙台の震災被災地でとったものであり,著作権フリーです).
震災の被害を自分の目でみようとおとずれた仙台でみつけたひとつのものは,津波,砂,風などがつくりだした風景だ. これらは復興とともにうしなわれてしまうであろう一時的な風景のひとつだ (これらの写真は仙台の震災被災地でとったものであり,著作権フリーです).
震災の被害を自分の目でみようとおとずれた仙台でみつけたひとつのものは,津波のあと水がつくりだした風景だ. これらは復興とともにうしなわれてしまうであろう一時的な風景のひとつだ (これらの写真は仙台の震災被災地でとったものであり,著作権フリーです).
東北地方太平洋沖地震がもたらした津波は人工物をことごとく破壊した. それによってのこされたのは瓦礫という醜悪なものたちだ. しかし,津波は同時に砂をはこんで造形し,津波の水はさまざまなかたちの池をつくった. そこには美をみることもできる. この対比はなにかをかたっているのではないだろうか?
東日本大震災では地震そのものよりも津波の被害が圧倒的におおきかった. 地震に関してはすでに,地震とたたかうというよりも,地震をのがれる 「免震」 のかんがえかたがひろまっている. 津波をはじめとする水害に関しても,スーパー堤防をつくってそれとたたかうのではなくて,津波や水のエネルギーをにがす 「免波」 の方法をかんがえるべきなのではないだろうか. このかんがえかたをひろげれば,「防災」 ではなくて 「免災」 につながっていくだろう.
仙台の若林区と宮城野区の一部には砂浜の海岸のちかくに防砂林,その背後に海岸線にそった水路とほそい道路とがある. 防砂林は津波をかぶったにちがいないし,たおれた木やぬけてちらばっている木もあるが,おおくの木はのこっている. それにもかかわらず,道路の舗装はところどころ,はがされている. ここでなにがおこったのだろう.
東日本大震災で,原子力発電所に 「想定外」 の事態が発生するといかに危険であるかがよくわかった. この震災では津波の規模が想定外だったわけだが,想定外の危険な事態はほかにもある. そのひとつがテロだ. アメリカではすでにテロ対策がとられているが,日本の原発ではテロ対策がほとんどとられていない. これをみなおすことがぜひ必要だ.
Twitter (ツイッター) が強力なツールだと以前から感じているが,とくに東日本大震災以来そう感じている. それでも,私自身はたまにしかつかっていない. おもにブログのメッセージをひろめるためにつかっていて,ようやくリツイートするひともでてきたが,まだフォローしてくれるひとは 10 人以下だ.
最近発行された写真集に共通することだが,この震災では被害のほとんどが津波に起因するものだったにもかかわらず,震災直後にテレビなどでさんざんみせられた津波がまちをおそう場面の写真はすくない. 名取市の防砂林をこえる津波の写真くらいだ. 津波被害の記録としては,もうすこし津波そのものの写真が必要だろう.
物より人をうつした写真がおおいことも各社共通している. 被災者を記録するのはもちろん重要なことだし,被災者や日本人みんなを勇気づけるのはよいことだ. しかし,ひとに焦点をあてたためか,近視眼的な写真がおおくなっている. 児童と教師のおおくがうしなわれた石巻市立大川小学校がとりあげられているが,どういう場所でなにがおこったのか,校庭のようすがわかる写真もなければ十分な説明もない.
ほかの本にはみられない菅総理の 1 ヶ月間の全行動が 4 ページにわたって書かれているが,最後にあるのは 「首相執務室は開かずの間」 と題された菅たたきの文章だ. いかにも産経らしいが,それがいいたくて全行動をのせたのだとしたら,紙のむだだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 闘う日本@ , 闘う日本@Amazon.co.jp.
名取市の防砂林をこえる津波の写真,家,船,くるまをおそう津波など,津波そのものの写真もひととおりはある. 震災直後にテレビなどでさんざんみせられた光景の大半はここにはない.もうすこし津波やそれが火をはこんでくる写真などがほしい.
産経の写真集などとくらべると,1 枚の写真が全面を占めているページがおおい. そのため,ひとびとの表情までもをその周囲の光景のなかでうまくとらえた写真がおおい. また,物と人とのバランスもとれ,文字による記録もあわせて掲載されていて,全体像を把握しやすい.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 報道写真全記録@ , 報道写真全記録@Amazon.co.jp.
最近発行された全国紙の写真集のなかでは写真にあてたページがもっともおおい. それだけに,もっとも詳細な記録になっている. 他社がとりあげていないさまざまな津波の写真や津波後の火災の写真なども収録されている.
ひとびとをうつした写真は産経の写真集と同様に人物だけをとらえたものがおおく,ページのひろさが十分にいかされているとはいえない. しかし,それだけ表情はよくよみとれる.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 東日本大震災@ , 東日本大震災@Amazon.co.jp.
5 月 6 日に,全国紙 3 紙による東日本大震災写真集がとどいた. それぞれの印象を書いてみた.
私としては産経のはおすすめできないが,あとの 2 つのどちらがよいかはむずかしい. しかし,広大な地域をさまざまなかたちでおそった震災の幅をかんがえるなら,写真の数が重要なファクターになり,読売新聞に軍配をあげることになるだろう.
ツイッターをあまりよく知らなかった著者が「外から」ツイッター利用者をみて書いた本だ. 個々の利用者をみるよりはマーケティングの手法をつかって統計的にとらえようとしている. ツイッター登録ランキングで和歌山県が第 1 位というような結果がおもしろい.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: ツイッター社会進化論@ , ツイッター社会進化論@Amazon.co.jp.
この本では,新聞など,従来のメディアを読むときにもつかえる知識もえられるが,なんといってもおもしろいのはツイッターに特有の知識だ. ツイッターでは文脈がつたわりにくいので一部だけをみて流言がひろまっていくこと,ツイッターの検索機能が貧弱なためにおこる誤解などなど.
タイトルや帯をみると,この本を読めばネットの情報をパッとみて捨てるべきものが捨てられるようになるような印象をうける. しかし,読んでみるとそうではなくて,誤解・流言をへらすには文章をちゃんと読む,裏をとるというように,より多く読む努力をかさねることがやはり必要だということだ.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ダメ情報の見分けかた@ , ダメ情報の見分けかた@Amazon.co.jp.
朝日新聞のカメラマンの写真がおおい点では「報道写真全記録 2011.3.11-4.11 ― 東日本大震災」と共通しているが,この写真集には報道写真ではない写真家の写真もとりあげられている. とくに外国人写真家は日本人とはあきらかにことなる視点で被災地をみているようだ. ミニマリズムのようなものを感じる. 日本人がとった写真のなかでも,記念写真風のものが目をひく. ただし,ひんしゅくを買っている旅行者の記念写真ではなく,被災者のものだ.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 東日本大震災@Amazon.co.jp.
柄谷 行人 は東日本大震災や阪神大震災の話から,ついには 「世界資本主義は 2,30 年のうちに存続することができなくなるだろう」 と書いている. しかし,その根拠は十分,明確にされていない.
酒井 直樹 は 「「無責任の体系」 3 たび」 という文章を書いている. そんなこと,いまさら,あらためて言うことか ?!
早尾 貴紀 は東京ももはや放射線において安全ではないので,「仙台にも東京にも子どもを置いておくことはできない」 と書いている. 矢部 史郎 も 「東京を離れて」 という文章を書いている. 気持ちはわからなくはないが,みんながそうやって京都や愛知などに移動し始めたら,どういうことになるのだろう.
著者のなかにはもっとまともなことを書いているひとはもちろんいるが,このひとたち,この雑誌,くるっているのではないだろうか?
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 現代思想2011年5月号@ , 現代思想2011年5月号@Amazon.co.jp.
災害予知情報をつたえるべきかどうか,どうつたえたらいいかといった話題もとりあげられているが,印象にのこったのは流言の発生やひろがりかたについての話題だ. 最近話題のツイッターによる流言はこの本ではまだ登場しないが,マスコミからはじまって,Web やメイリングリストはとりあげられている.
それとともに,ひとびとの不安をなくすには断定的な表現が必要とされたという話もとりあげられている. 地震発生のデマをうちけすには,正確さを重視するならいえないはずの 「絶対起きない」 と断言するようにしたという気象庁地震課長の話である. 福島第一原発事故で枝野官房長官が正確な表現につとめていたために不安が解消できなかったことをおもいださせる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 災害情報とメディア@ , 災害情報とメディア@Amazon.co.jp.
臨界事故がどんな悲惨な患者をつくりだすかをえがいている. 中性子線被曝というきわめてまれな症例の記録として価値ある本であると同時に,事故をまねいた JCO の責任をするどく追求している本だといえるだろう.
末尾の解説ではチェルノブイリ原発事故もとりあげられている. 原発のこわさという点はどちらの事故も共通しているが,さまざまなちがいがあることも認識するべきだろう. それをあいまいにしたままの議論には疑問を感じる. 治療にあたった前川医師を中心とする原子力安全委員会がまとめた報告書のなかで,被曝治療の体制づくりが重要だと指摘しているという. しかし,ほとんど発生したことがない中性子線被曝のためにおおきなコストをかけるのは,はたして妥当なことだろうか? それはいま福島で発生の可能性がある放射性物質の崩壊による被曝とはまったくちがっている.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 朽ちていった命@ , 朽ちていった命@Amazon.co.jp.
災害が発生したときにマニュアル風につかうことをかんがえて,ほとんどの情報が箇条書きで書かれているのだろう. いそいでいるときに必要な情報をえるには,このような記述形式がよいのかもしれない. しかし,そういうときでも,「なぜそうするべきなのか」 はかんがえなければならないだろう. この本はそこがよわいようにおもえる.
マニュアルならば,入門的な知識から,それぞれのアクションをとる理由,効果など,必要な知識をつかいやすいようにまとめるべきだろう. この本をつかおうとすると,消化不良でいろいろ問題がおこってくるのがこわいようにおもえる.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 防災・減災・復旧ノウハウ@ , 防災・減災・復旧ノウハウ@Amazon.co.jp.
地下鉄の本駒込駅のホームへの階段をおりながら,家に電話しようとした. そのとき,カバーのない iPhone 4 は私の手からすべりおちた. わるいことに,にぶい音をたてながらバウンドして,さらに下におちた. それを 10 回ちかくくりかえしてから,ようやくとまった.
東日本大震災における被災者の秩序だった行動は世界に感銘をあたえた. しかし,この本は災害時にはおおくの場所で,たがいにたすけあい,自分がもつものすべてを他人にあたえ,金銭が機能しなくなるユートピアのような状態が生じると主張している. 例としてとりあげられているのはハリケーン・カトリーナやサンフランシスコ地震や 9.11 などだ.
それとともに,被災者への不信感をもつマスコミやエリートたちがそういう世界を破壊する行為をすることを主張している. 軍隊や警察が窃盗をはたらいていないひとを射殺したり,こわれていない家を破壊したり,避難やボランティアをさまたげたりするという. アメリカで被害にあうのはおもにアフリカ系アメリカ人であり,ふだんはおさえられている偏見や差別が顕著なかたちであらわれる.
日本と海外の市民にちがいがあるからではなくて,日本ではそういう対立関係がないことが,略奪や殺人のデマの発生をおさえ,カトリーナやサンフランシスコ地震などとのちがいにつながっているのではないだろうか. 400 ページをこえるこの本は,そういったことをじっくりかんがえる時間をあたえてくれる.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 災害ユートピア@ , 災害ユートピア@Amazon.co.jp.
ニッケル水素電池について Google で検索した. Google の広告は基本的にはひらかないことにしているが,「"ニッケル水素電池"なら」 とか 「ニッケル水素電池 価格大特集」 とかいうタイトルがついていると,ちょっとあけてみたくなる. その結果はまったく失望させるものだった. これからも,基本的には広告をひらかないことにしよう.
東日本大震災のあと,被害をきちんとしらべていなかった. 今週,自作の本棚が壁からはずれていることに気がついた. さっそく,ふたたびはずれることがないように再対策した.
東日本大震災の被災地でとってきた写真のなかには,そのときの雰囲気をつたえているものも,もちろんある. しかし,写真にうつしたかったものがほとんど表現できていない写真もある. フレームのなかだけをうつすという写真の特性からして,どうしようもなかったものもあるとおもう. しかし,3D の写真であれば,もっとうまく表現できたものもあったとおもう.
震災後はやい時期における著者の提言などをまとめたものだ. 福島第一原発事故に関しては,原子力の専門家だった著者の知識がいかされている. 著者は計画停電に関しては (当然) 批判的だが,やってみたから深刻さといかにバカげたものであるかが国民にわかったという点ではやってよかったのではないだろうか.
日本復興には成長戦略が重要であること,そのためには日本人のメンタリティをかえる必要があることなど,もっともだが,130 ページほどのみじかい本の議論では十分でない. すばやく本をだすことには価値があるが,みじかい期間でももうすこし計画を練ることはできたのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 日本復興計画@ , 日本復興計画@Amazon.co.jp.
著者は震災後 4 月おわりまでのあいだに,この震災に関する 50 ちかい文章を書いている. おどろくべきことだ. 菅直人や東電への批判がつよいなかで,著者は菅をというよりは首相を支え,東電を応援することの重要性をといている.
多数の文章のなかには重複する内容が非常におおい. 明治天皇のおなじ短歌が 7 回以上引用され,おなじような論旨がつづいている. おなじことが 2 回,3 回くりかえされても耐えられるが,10 回ちかくもくりかえされると,もはや耐えられない. もとのままの文章をつたえたかったのだろうが,重複がすくなくなるように編集するべきではなかったのだろうか?
著者は原発事故の収束のためには近代主義的な生命至上主義,個人主義を超克し,「命を捨ててくれ」というような命令が必要になると論じている. しかし,福島ではこのような命令をしなくても原発にむかっていく大勢のひとがいて,我々もそれに勇気づけられるのだ. そのような命令が必要になることこそ末期的だとおもえる.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 3.11 クライシス!@ , 3.11 クライシス!@Amazon.co.jp.
東日本大震災では,防潮堤があったにもかかわらず低地にたてた家のおおくが津波で流出したり破壊されたりした. あらたに家をたてる場所としては高台が有力視されているが,頑丈な中層建築をたてて津波の際には上階に逃げる方法や,広大な人工地盤をつくってそのうえに家をたてる方法が提案されている. しかし,おそらく技術的に確立された方法は高台にたてる方法しかないだろう.
Google で 「震災」 を検索すると,もちろん東日本大震災に関する項目が上位を占める. bing で検索してもそうだ. 妥当な結果だ.
ところが,Baidu.JP で検索してみると,「阪神大震災」 に関する項目がおおい. しかし,いま 「震災」 を検索したとき 「阪神大震災」 を期待しているひとはすくないだろう. この差がどこからきているのかはわからないが,Google や bing のほうが期待にそう結果をだしているといえるだろう.
会社がある戸塚から自宅にかえるとき,新宿をとおる. ふつうは午後 9 時くらいまでには新宿に着くが,きょうは 11 時をすぎていた. JR の改札周辺は,いつもとはあきらかに雰囲気がちがう. 酒場のようなさわがしさだ.
ワープロにせよ HTML にせよ,箇条書きというフォーマットがあり,項目の先頭につねにおなじドットなどの特殊文字がつくのと,数字のように項目ごとのことなる文字がつくのとがある. いつもおなじ文字をつけるときは問題ないが,数字などのときはふたたび最初の文字 (たとえば 1) にもどす必要がある. ふるい MS Word ではかんたんに文字をもどすことができたが,Word 2007 ではしばしば文字をもどそうとしてもかえられないことがある. どうしてこんなおかしなことがおこるのか,いまだにわからない.
日本で必要とされる電力を確保するために,原子力発電に関してどのような選択肢をとるべきだろうか. ここではその選択肢をあげてみたい. 現実的な選択肢は第 2 または第 3,つまり,運転中の原発は浜岡のような例外をのぞいて継続をみとめるが,既存の原発もふくめてあらたな稼働はみとめないか,もしくは既存の原発の再稼働はみとめるがあらたな建設はみとめないという選択肢だろう. どちらのばあいも当面は 15% くらいの節電をすればよいが,今後 10 年くらいのあいだに太陽光や風力などの代替エネルギーをどれだけ必要とするかがことなってくる.
イントロダクションではいまのサラリーマンの思考や行動がいかに危機的な状態にあるかを書いている. ほんとうにそこまでひどいのかと,おもわせる内容だ. 自分のちかくをみるかぎりは,もうすこし,すくいがあるようにみえる. 著者がむかしつとめていた会社にいるが,そこでも第 1 章に書かれているようなプロジェクトが増加し,組織もむかしよりは平坦化している.
それでも,意識改革が十分すすんでいないのは著者が書いているとおりだろう. あとの章にいくほど,「旧大陸企業」には欠けているところがふえてくる. この本のなかにはあたらしい道にふみだすためのヒントがいろいろある. しかし,それらはあくまでヒントであって,解決策にはなっていない. たとえばセキュリティ問題のために在宅勤務が困難になったことが指摘されているが,可能な解決策はしめされていない. ほかの問題に関しても,解決策をあたえるべきは著者ではなくて読者だ.
評価: ★★★☆☆
「精神の空白」 や日本国憲法,戦後の教育を中心として,太平洋戦争後の日本がかかえたままの問題をしめそうとしている. 問題をうみだした元凶はアメリカによる占領時の上からの民主化や国防政策の転換,産業化の成功などだ. 憲法に関しては,非武装中立論に重点をおいて検討している. また,教育に関しては 「公民」 ということばの検討に重点がおかれている.
わかりのよい本ではないし,論旨にも弱点がある. しかし,わかりのよい本で思考停止におちいるよりは,こういう本を読んで読者みずからかんがえるのも,わるくないのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 戦後日本の盲点@ , 戦後日本の盲点@Amazon.co.jp.
Twitter は一種の会話メディアだとかんがえることができる. しかし,通常の会話メディアとはちがって,それぞれの話者はことなるコンテクストのもとにいる. それがどういう結果をうみだしているのか,興味がある.
ときどき Amazon で新刊雑誌をみている. 「出版年月が新しい順番」 で表示することができるので,一応は新刊雑誌をみることができる. ところが,この順序でならべると,これまではまだ発行されていない,内容もきまっていない雑誌が多数でてくるので,つかいにくかった. 最近,ようやく現在までに発行されたものだけを表示できるようになって,ずっと,つかいやすくなった.
西岡武夫参院議長が菅内閣をたびたび強烈に批判している. 産経ニュースなどでそのいいぶんを読んでみると,はやく法律をつくってそれにもとづいて震災復興をすすめるべきだというかんがえのようだ. 菅内閣はむしろ立法に時間がかかることをかんがえると,あたらしい法律をつくらずに対処していく方針にみえる. 国会において法律が迅速に成立する状況であれば西岡氏のやりかたがよいだろうが,まさに参議院がその障害になることをかんがえれば,西岡氏の案は適切でないだろう. もともと民主党に所属していながら民主党政権を混乱させ,復興そのものも混乱させかねない西岡氏はだまるべきだ.
福島第一原発で水素爆発事故があった日,東京電力と首相官邸とのやりとりのなかで再臨界の可能性が指摘され,東京電力が 1 号機への注水を一時中断する決定をくだしたという. 福島第一原発の所長である吉田氏はいったんはそれに合意し,東京電力本社は最近にいたるまでそれが実行されたとかんがえていたが,実際には吉田所長の判断で注水がつづけられていたという. マスコミや国会で問題にならなければこの件は本社に知らされないままになり,それで問題もおこらなかったかもしれないが,おおきな問題になってしまった. しかし,不適切な本社判断にしたがわなかった勇気,問題があかるみにでたあと注水を停止していなかったことを報告した勇気をたたえたい. そして,東京電力が吉田所長を処分することがないように,のぞみたい.
インターネットのおかげでハイパーリンクをたどってどんどん読んでいくことができるようになり,どんどん情報がえられるようになったかというと,そうではないと著者はいう. つぎつぎに別のページにうつっていくことになり,集中して文章を読むことができなくなっている. その結果,さまざまな調査において,ハイパーリンクをつぎつぎにたどっていく読みかたでは,本を読むときのようにひとつの文章をずっとたどっていくのにくらべて記憶にのこりにくいことがわかったという. つまり,ハイパーテクストは 「読む者により大きな認知的負荷を課する」 のだという.
そういわれると,たしかに,おもいあたるふしがある. ハイパーリンクがあるとおもわずクリックしたくなるが,その誘惑に勝たなければならないのだろう. また,ブログにいろいろリンクをはりたくなるが,とくに文章中にリンクをはるのはさけるべきなのだろう. 著者ももうネットがあともどりさせるべきだとかんがえているわけではないが,そうだとすると,ネットの文章の認知的な負荷をさげる技術を開発し,ひろめる必要があるのだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ネット・バカ@ , ネット・バカ@Amazon.co.jp.
2010 年までの 30 年以上 (?) にわたって外務省につとめてきた著者が,アメリカやアジアとの外交について,率直につづっている. 対米外交に関しては,なりふりかまわない要求をしてくるアメリカにふりまわされ,その要求を値切るのがやっとだった様子が書かれている. また,日本が ODA などによって海外でかさねてきた努力をうまく説明してこなかったことが評価をさげていたが,それをきちんと説明することで 「知らなかった」,「すばらしい」 とすなおにみとめられた経験が紹介されている.
この本にはそれほどあたらしいことが書かれているわけではない. しかし,これまで日本の外交の弱点とされていたことや,そうならざるをえなかった理由などを,実際にその最先端にいたひとのなまなましい筆致で確認することができる. それは,今後の外交をかんがえるうえでの原点になるだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 国家の命運@ , 国家の命運@Amazon.co.jp.
Lenovo G530 444622J というノート PC を家でつかっている. Windows Vista 上でこれまで Internet Explorer 8 をつかってきたが,IE9 をインストールしてみたところ,起動してまもなくエラーが発生するようになってしまった. 自動的に再起動するが,何度,再起動してもまたエラーがおこる. 原因をしらべたところ,ディスプレイ・ドライバー (Mobile Intel(R) 4 Series Express Chipset Family) に問題があることがわかった. このドライバーを停止させると,IE9 が正常に起動するようになった.
菅直人を首相の座からひきずりおろそうといううごきが,野党だけでなく民主党のなかからもでているようだ. しかし,民主党のなかに彼にかわって首相になれるひと,彼よりうまくやれるひとがいるのだろうか.
たしかに,自民党のしかるべきひとであれば,菅直人より震災対策をうまくやることができるだろう. だが,そうすることが民主党のチャレンジをやめさせ,ずっとめざしてきた 2 大政党制への道をとざすことになるとしたら,それが日本のすすむべき道だろうか. いまは震災復旧だけをかんがえるときではなく,日本全体の復興のみちすじをかんがえるべきときだ.
私は基本的には菅首相を支持する立場だ. 菅内閣の支持率が 10% をわりこんだとしても,それはかわらないだろう. 菅内閣がいろいろ失策をおかしてきたのは事実だが,それにはやむをえない部分があるとおもう. しかし,それでもやはり納得できない部分はある. それは,彼が日本をどちらにつれていこうとしているのか,方針があきらかでないことだ. たとえば,原発をどうするのか,自然エネルギーをどうするのかといったことがらに関する方針があきらかにされないまま,ある日突然,浜岡原発の停止要請がでたり,サミットでの演説がでてきたりする. これらの決定そのものは支持するし決定にいたった必然性があるとおもうが,それがあらかじめ方針としてしめされていないことには,やはり不満がある.
TPP 反対派がいろいろな本を書いているのに対して,賛成派が 書いた本はほとんどない. TPP に反対する理由は日本の農業に壊滅的な影響をあたえることなど,明確だ. それに対して,賛成する理由はあまり明確にのべられていないようにおもう. そういう状況のなかで,私も日本の TPP 参加には不利益のほうがおおきいのではないかと,おもわざるをえない. しかし,抽象的なレベルでは TPP には利点があるとおもう. それは,FTA にくらべて単純だということだ. FTA で複雑化した国際経済はどのようにうごくか,予測困難であり,したがって対処困難だ. それに対して TPP の単純さは予測と対処を可能にするといえるだろう.