東日本大震災で,原子力発電所に 「想定外」 の事態が発生するといかに危険であるかがよくわかった. この震災では津波の規模が想定外だったわけだが,想定外の危険な事態はほかにもある. そのひとつがテロだ. アメリカではすでにテロ対策がとられているが,日本の原発ではテロ対策がほとんどとられていない. これをみなおすことがぜひ必要だ.
福島第一原子力発電所の事故でわかったのは,原発の冷却設備がダメージをうけるときわめて危険な状態になるということだ. そのほうが少量の爆発物をもちこまれるよりはるかに危険だろう.
テロリストがそれをねらってくる可能性がある. もちろん,テロリストはもっとほかのことをねらってくる可能性もある.
日本でテロが発生する可能性はアメリカにくらべればはるかにひくいだろう. しかし,いったん原発でテロが発生すれば,その影響はハイジャックなどとはくらべものにならないくらい,おおきい. チェルノブイリ級の事故が発生すれば,現在の福島よりひろい範囲でひとがすめなくなり,経済活動がとまってしまう可能性がある. それをかんがえれば,テロ対策は必須だろう. 朝日新聞がウィキリークスからの情報を分析した結果によれば,日本はアメリカから原発のテロ対策をもとめられていたという (7 日朝刊).
テロ対策としてはさまざまなことをかんがえる必要があるだろうが,まずテロリストを物理的にふせぐことが必要だ. そのためには自衛隊による警備をかんがえるべきだろう. 武器をもつテロリストをふせぐには警察では十分でない. (写真は産経ニュースによる警察庁の石川・志賀原発でのテロ制圧訓練のようす)