イントロダクションではいまのサラリーマンの思考や行動がいかに危機的な状態にあるかを書いている. ほんとうにそこまでひどいのかと,おもわせる内容だ. 自分のちかくをみるかぎりは,もうすこし,すくいがあるようにみえる. 著者がむかしつとめていた会社にいるが,そこでも第 1 章に書かれているようなプロジェクトが増加し,組織もむかしよりは平坦化している.
それでも,意識改革が十分すすんでいないのは著者が書いているとおりだろう. あとの章にいくほど,「旧大陸企業」には欠けているところがふえてくる. この本のなかにはあたらしい道にふみだすためのヒントがいろいろある. しかし,それらはあくまでヒントであって,解決策にはなっていない. たとえばセキュリティ問題のために在宅勤務が困難になったことが指摘されているが,可能な解決策はしめされていない. ほかの問題に関しても,解決策をあたえるべきは著者ではなくて読者だ.
評価: ★★★☆☆
注記: BK1 の 書評 と Amazon.co.jp の 書評 に投稿しています.