2010 年までの 30 年以上 (?) にわたって外務省につとめてきた著者が,アメリカやアジアとの外交について,率直につづっている. 対米外交に関しては,なりふりかまわない要求をしてくるアメリカにふりまわされ,その要求を値切るのがやっとだった様子が書かれている. また,日本が ODA などによって海外でかさねてきた努力をうまく説明してこなかったことが評価をさげていたが,それをきちんと説明することで 「知らなかった」,「すばらしい」 とすなおにみとめられた経験が紹介されている.
この本にはそれほどあたらしいことが書かれているわけではない. しかし,これまで日本の外交の弱点とされていたことや,そうならざるをえなかった理由などを,実際にその最先端にいたひとのなまなましい筆致で確認することができる. それは,今後の外交をかんがえるうえでの原点になるだろう.
評価: ★★★☆☆
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