30 年前に書かれた本だが,現在のプルトニウムや高速増殖炉,原子炉一般,そして再生可能エネルギーやエネルギー浪費型の文明についても,その大半の問題がすでに指摘されている. もちろん,まず書かれているのはプルトニウムのあつかいにくさ (発火しやすいことなど) やアルファ線をだすことによる強毒性についてである. しかし,そこから,原発がつくったプルトニウムを何 10 万年にもわたって環境にでないように管理する必要があること,それがあやまりをみとめない厳しい管理社会や監視社会につながっていくこと,それをさけるには再生可能なエネルギーや,エネルギー浪費をやめることが必要だということにつながっていく. 著者自身は浪費をやめる方向にかたむいている. これは,まさに福島第一原発事故以後のこれから,おおきな議論につなげるべき内容だ.
評価: ★★★★☆
関連リンク: プルトニウムの恐怖@ , プルトニウムの恐怖@Amazon.co.jp.
注記: BK1 の 書評 と Amazon.co.jp の 書評 に投稿しています.
キーワード: