8 月末に 3 連休があったので,私の母をふくむ家族 4 人で上田・菅平方面に旅行してきた. ことしは節電のため会社のやすみが変則的なので,世間のやすみとは一致していない. 菅平といえばスキーなのだが,夏は合宿におおくつかわれているようだ. そのため観光にはあまり期待していないようであり,名所のたぐいにもほとんど案内がなくて,わかりづらかった.
世界のなかでの日本の存在感がちいさくなっているなかで,著者は韓国,中国などとどう対峙していくか,また原子炉や新幹線などの日本製品をどう海外に売りこんでいくかなどの点を論じている. それぞれの論点に関しては示唆的な部分をふくんでいる. しかし,全体としてみると印象がうすい. さまざまな論点がうまくからみあっていないようにみえる. また,震災後に原子炉輸出の問題をとりあげているのに,事故に関する配慮がないのも疑問を感じる. 新興国が台頭し,日本の人口や経済が縮退するなかで,日本の復興は容易でない. だから,もうすこし全体的なビジョンがなければ,それを実現させることはできないのではないだろうか.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 不屈の日本@ , 不屈の日本@Amazon.co.jp.
東日本大震災に関してもつぎの災害へのそなえに関しても,すでにさまざまな議論がなされている. 著者もおおくの部分でそれをなぞっている. あたらしい防潮堤より 「減災」 をめざしたふるい防潮堤のほうが効果的だったこと,避難のこころえ,などなど. しかし,とかく死者を美化したがる風潮に対して,著者は死者がどういう失敗をしたのかを検証しようとしている. ひとびとに津波の危険をしらせながら死んでいったひとについても,いきのこる方法がなかったのかをかんがえるべきだという. 原発事故に関しても東電や国を罵倒して 「ガス抜き」 しているひとを批判し,現状では不十分な台風へのそなえに関しても言及している. 災害に対する著者のかんがえには,まなぶべき点がおおい.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 不屈の日本@ , 不屈の日本@Amazon.co.jp.
アマゾンの旧ランキングでベスト 500 レビュアーになった. きょうの順位は正確には 479 だ. その一方で新ランキングはさがりつづけている. 現在は 938383 だ. 昨年 6 月とくらべると 1 桁以上おちている. どうすればこれほどちがう評価ができるのだろう.
8 月末に 3 連休があったので,高齢の母をふくむ家族 4 人で上田・菅平方面に旅行してきた. 足がすっかりおもくなった母をつれて家族全員で旅行すると,全員をそれなりに満足させるのはなかなかむずかしい. 私自身はほんとうはトコトンあるきたいのだが,それはちょっとかなわない. これまでも何回かこころみてきたが,今回は比較的うまくいったようにおもう.
8 月末に 3 連休があったので,私の母をふくむ家族 4 人で上田・菅平方面に旅行してきた. 夏の高原というと牧場ということになる. 菅平にも牧場があり,「ふれあい牧場」 には牛のほか,やぎ,うさぎ,あひるなどがいる.
仕事でひさしぶりに東大先端研に行った. 便利な交通機関がないこともあつて,自宅から 40 分ほどかけて,あるいていった. 会議が 10:00 からと 18:00 から,おなじ場所であるが,その間,仕事ができる環境をみつけるのはむずかしい. そのため,学生時代に 8 年間すごした近辺の場所をたどって,あとは先端研内の適当な場所で紙でできる仕事をすることにした. 当時とおおきくかわったところもあるが,全体としてはそれほどかわっていないといえる.
仕事のため,自宅からあるいて東大先端研に行き,仕事のあいまに学生時代に 8 年間すごした近辺の場所をたどってみた. ここではそのうち,自宅から先端研までのあいだについて書く.
仕事のため,自宅からあるいて東大先端研に行き,仕事のあいまに学生時代に 8 年間すごした近辺の場所をたどってみた. ここではそのうち,先端研がある駒場リサーチキャンパスのなかから,ちかくの民芸館までのあいだについて書く.
仕事のため,自宅からあるいて東大先端研に行き,仕事のあいまに学生時代に 8 年間すごした近辺の場所をたどってみた. ここではそのうち,かつて 2 年間すごした東大駒場キャンパスについて書く.
仕事のため,自宅からあるいて東大先端研に行き,仕事のあいまに学生時代に 8 年間すごした近辺の場所をたどってみた. ここではそのうち,かつて 6 年間すごした筑駒 (当時は教駒) の周辺について書く.
仕事のため,自宅からあるいて東大先端研に行き,仕事のあいまに学生時代に 8 年間すごした近辺の場所をたどってみた. ここではそのうち,駒場野公園とそのにある水田を中心に書く.
放射線や放射能とはどういうものか,放射線は人体にどういう影響をあたえるか,ホルミシス現象とはなにかなどという話題に比較的コンパクトでもっともよくこたえてくれる本だといえるだろう. 低量放射線はそれほどおそれる必要はないということだ. ホルミシス現象に関するおおくの本のあやしげな記述とくらべると,この本の記述は信頼できる.
2002 年に書かれた本だから,あらさがしをすれば,いまとなっては適切でない記述をみつけることができる. しかし,おおくの本とくらべると原発に関してもより客観的に書かれていることがわかるだろう.
評価: ★★★★☆
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被災者やバーチャル被災者は 「災害ユートピア」 という本にも書かれているように,災害後 1 〜 2 ヶ月は 「ハネムーン期」 とよばれるハイな状態になるが,その後は幻滅期,再建期を経て通常にもどるという. この本はその幻滅期以降にとるべき対応などについて書かれている. 9 月に出版されているが,もっとはやく出版されていればこの震災でももっとやくにたったのだろう. タイトルをかえて,今後おこる災害へのそなえるための本とすればよいのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
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「教えるな!」 というメッセージは教師だけでなく親にもむけられているとかんがえることができる. しかし,この本で論じているのは教師のあるべきすがたであり,そこから親がえられるものは比較的すくないようにおもう. 教師論としても異論はおおいのではないかとおもうが,それについては教師でない私はふれないことにする.
評価: ★★★☆☆
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対話しやすい相手 (だけ) をえらんでしまったのが失敗ではないだろうか. 原発はなぜダメなのか,1970 〜 80 年代の環境思想とはどういうものなのか,そういうところを追求しないままに話がすすんでしまう. そこに疑問をもつ読者 (私) はとりのこされてしまう.
評価: ★★☆☆☆
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災害時におこりうることなどを比較的小項目にわけ,ポイントや写真,図表などをとりいれてて書いている. しかし,知識がこまぎれにされ,写真と文章とのつながりもよくわからず,よみおわってもあまり内容があたまにのこらない. 記憶にのこるのはむしろ,「正常性バイアス」 とか 「同調性バイアス」 という,こまぎれに論じられているキーワードだ. もうすこしテーマをおおきくくくったほうが,わかりやすいのではないだろうか.
評価: ★★☆☆☆
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鉢呂経産大臣が福島原発周辺視察にからむ発言の責任をとって辞任した. 大臣になったら発言にもっと注意してもらいたいものだが,この程度の発言で,発言を撤回して陳謝しているにもかかわらず辞任を余儀なくされるというバカげたことは,もうやめにしてもらいたい.
もっとも平易なコンピュータ・ネットワークの教科書である. タイトルのとおり TCP/IP が中心だが,Ethernet はもちろん,OSI や ATM についてもわずかずつは書いてある. 130 ページくらいのなかで物理層からアプリケーション層までひととおり書いてあるので,十分理解するというわけにはいかないが,すくなくとも学生が読んでつまずくということはすくないのではないかとおもえる. ただ,無線があつかわれていないのは弱点といえるだろう.
評価: ★★★★☆
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古典的なデータリンク層と物理層に大半のページをさいている. 電気・電子工学的なニーズにこたえようとしているのだろうが,世間の平均的なニーズからはずれているとかんがえられる. 冒頭から TSS などという単語が説明もなしに登場するなど,多数の用語が十分な説明もなしに登場するところは,よみにくい. TCP/IP の説明は 40 ページくらいであり,アプリケーションの説明はない.
評価: ★★☆☆☆
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ネットワークアーキテクチャを寝殿造りなどのたとえをつかって説明するなど,わかりやすくするために工夫をはらっている. OSI について比較的くわしく説明しているが,それには最近,改訂されていないことも関係しているだろう. インターネットに関しては,DNS,メール,WWW など,比較的上位層にウェイトをおいて説明している. しかし,インターネットよりは無線 LAN (WiFi) もふくむ LAN に重点をおいていて,それらのデータリンク層の説明にページをさいている.
評価: ★★★☆☆
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ネットワークの原理に力点をおいている. 具体的なプロトコルについての説明はかぎられている. 大学の講義のためにはこういう題材のほうがあつかいやすいのかもしれない.
TCP/IP については 20 ページくらい,DNS やアプリケーションについてさらに 10 ページくらいをあてている. セキュリティやマルチメディアのほか,他の類似の教科書ではすくないのは光通信網の説明だろう.
評価: ★★★☆☆
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この種のおおくの教科書とはちがって,アプリケーションを最初においている. ネットをつかいなれた学生にとっては,そのほうが興味をひかれるだろう. TCP/IP そのものについては,OSI とならべて,また WAN 技術の章で,比較的かぎられた説明しかしていない. OSI の説明にページをさいているわりには,Ethernet などの説明がそれにしばられていない点などはよいようにおもえる.
評価: ★★★★☆
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1 章からさまざまな用語が登場する. かんたんな説明はあるが,よみこなすにはかなりの予備知識が必要だろう. しかし,この本の真骨頂は 3 章だろう. 待ち行列の理解のために確率過程の説明からはいっている. この本にはないが QoS など,通信・ネットワークのふかい理解のためには必要な基礎だが,ネットワーク・アプリケーションを専門とするひとには負荷がおおきい. 1999 年に出版されてから改訂されていないのは,残念ながらニーズがなかったからだろう.
評価: ★★★☆☆
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IP と TCP の説明に重点があるが,Web など,アプリケーションの説明をまえに置いている. プロトコルの階層化についてはわかりやすく説明しようとしているが,OSI のモデルの説明はこれだけでは理解できないだろう. 類書よりページをさいているのはセキュリティとくに IPsec が説明されていることだ. Ethernet については,無線 LAN (WiFi) 以外はかぎられた記述しかない. 2007 年に出版された比較的あたらしい本であるわりには,内容に新鮮さがない.
評価: ★★★☆☆
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大学での 4 単位分の教科書として 2003 年に出版されたが,現在は廃刊にされている. 下層からの導入という古典的な方法をとっていて,OSI に 40 ページちかくをさいている. ルーティングにも 30 ページちかくをさいているが,そのまえに IP に関して十分な説明がない点にはやや無理があるように感じる. 4 単位ぶんなので,ATM や MPLS,セキュリティ,VoIP,待ち行列,信頼性理論などもふくまれているが,IP の上位層の説明はすくない.
評価: ★★★☆☆
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タイトルで 「大震災の後」 とうたっているが,実は著者がこれまで他の本で主張してきたことをくりかえしているだけである. 「伽藍からバザールへ」 というスローガンがそれを象徴している. 統計によると日本人は会社がきらいであるにもかかわらず,息をひそめて会社にしたがっている. これからもそれをつづけていくことは,震災の被災者がうけとるべきものをとってしまうということになるのだろう.
評価: ★★★☆☆
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各章を 2 つにわけて,前半を野中,後半を遠藤が書いている. 後半は前半を補足するかたちになっているため印象がうすい. しかし,補足しなければならないということは前半もよわいということだろう. たとえば,「「ぶら下がり社員」を海外に送り込め」というような主張は,現在の日本企業に関する洞察がよわいのではないかという印象をうける.
評価: ★★☆☆☆
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武蔵境駅前のスイングホールでフルートの発表会があり,それをきくために,ほとんどでたことのない武蔵境駅からでた. スイングホールと駅周辺について書いてみたい.
英語の論文を書くとき,構成と表現の両方が課題になるが,この本は基本的に後者だけをあつかっている. さまざまな英語らしい表現が紹介されている. ある程度,論文を書く経験をかさねたひとが,もう一度みなおすときに読むのに適しているだろう. 何度書いても時制をどうするべきかはまようが,それについてもおよその解がしめされている. 表現についても構成との関係で注意するべき点があるとおもうが,それはほかの本で知る必要があるだろう.
評価: ★★★★☆
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卒業論文などのかきかたについて何冊も本を書いている著者だが,論文をかきはじめるときには七転八倒すること,途中からかきはじめることができずに頭からかきはじめることなどを告白している. ということは,途中からしか書くことができない私などはこの本からえられることがすくないということかもしれない. たくさん勉強しすぎると自分でかんがえなくなるからよくないという著者のかんがえにも賛成できない.
「論理的思考法」 や 「論理的な議論」 にはっきりした方法がないということも書いているが,演繹や帰納はもちろん推論の方法はさまざまあるのだから,はっきりしているかどうかはべつとして,そういう方法がないというのはおかしいだろう.
文章には 「つなぎ」 が重要という話も書かれていて,それはそのとおりなのだが,文どうしをつなぐのが接続詞だけであるかのように書いているのは不十分だろう. たとえば代名詞やそれに相当する名詞のくりかえしなどもつなぎのやくわりをはたしているはずだ.
というわけで,この本には不満な点がおおい. しかし,この本だけ読むのでなくて,ひとつの意見として読むぶんには参考になる点があるだろう.
評価: ★★☆☆☆
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うすい教科書でありながらプロトコルの設計や仕様記述の方法をあつかっているところに特徴がある. しかし,第 1 章ではコンピュータ・ネットワークを分散システムとしてだけとらえていて通信という観点がぬけていること,第 2 章に突然,推論や問題解決の方法がとりあげられていること,アプリケーション指向の本ではないにもかかわらずインターネットのまえにセキュリティが論じられていることなど,疑問の点がおおい. 教科書としてはつかいにくいのではないかとおもわれる.
評価: ★★☆☆☆
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大学生むけの論文の書き方本のおおくは卒論に特化されすぎているようにおもう. この本はもっとひろくて,高校生くらいでもつかえるし,興味がもてるのではないだろうか. ネタのえらびかたや調査のしかたも具体例をあげて説明しているし,「論文を書く段取り」 もなっとくのいく説明がなされている. ただ,記号やフォントのつかいかたに関しては,卒論でもここまでこまかく指定しなくても…とおもう.
評価: ★★★★☆
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英文を書くのになれていないひとのために,論文の構成から表現まで,ひととおりの説明をしている. 表現は比較的日本人にかきやすいものをえらんでいる (つまり,あまり英語らしくないものがおおい) ようにみえる. たとえば,abstract の例としてあげられている文章では purpose という単語が 2 つの意味でつかわれている (奇妙 !) うえ,自分の研究目的を過去形で書いている (奇妙 !). “It is ...ed (過去分詞)” が多用されているのも Japanese English っぽい. もしかすると初学者にはこのほうがかきやすくてよいのかもしれないが,最初からもっと英語らしい表現が書かれた本をえらんだほうがよいようにおもう.
評価: ★★★☆☆
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和文にしろ英文にしろ,文章を書くときには文どうしや段落どうしのつなぎをくふうする必要がある. 私のばあい,おもに英文添削で自分が書いた文章の不備をしてきされるのだが,最近たまたま,文章のかきかたに関する本をいろいろ読んで,つなぎについて書いている部分をいくつかみつけた.
この本では論理思考の方法そのものについても書かれているが,重点はその図表や文章による表現,論理思考の結果をひとにつたえたり,それをもとに説得したりするための方法にある. うまくつたわらない原因は,ときには表現のまずさにあり,ときには論理思考そのものにある. さまざまなケースについて,具体例をあげて説明している. うまくつたわらない原因すべてが分析できているとはおもえないが,これらが典型的な例なのだろう.
評価: ★★★☆☆
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よくこれだけ誤用例をあつめたとおもうくらい,多数の例が,論文などからあつめられている. もちろん参考になる点は多々ある. しかし,危惧をいだいてしまうのは,ただしい例とおなじ数だけ誤用例をよまされると,そちらがあたまにのこって,まちがえてつかってしまうのではないかということだ. ただしい例だけ読んだほうがよいような気もする.
評価: ★★★☆☆
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大学生がレポートを書くときにはこの程度のことに気をつければよいということかもしれない. しかし,文章とくに論文の書き方としては相当にまずい内容だ. たとえば,段落については 「段落をどこでとるかの規則はない」 と書いている. 日本語ではもしかするとこれでよいのかもしれないが,英語のパラグラフをかんがえると,これはまったくのまちがいだ. 日本語で書くときも,段落をどう構成しどこで段落をきるかに関しては,もっと意識的であるべきだろう. この調子のゆるい内容がいたるところにみられるから,むしろ有害な本だといってよいだろう.
評価: ★★☆☆☆
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この本が出版された 2009 年には,日本ではまだ貧困がおおきな問題だという認識がひろがっていなかったのだろう. 著者はまず日本における貧困の状態を分析し,その深刻さをうったえている. そして,日本ではその対策としてのマイクロファイナンスが普及していないこと,有名なバングラデシュのグラミン銀行だけでなく,先進国でもうごきがあること,日本でやるとしたらどうすればよいかを検討している.
東日本大震災後にマイクロファイナンスをめざすうごきもあるが,あまり成功しているとはいえない. この本にも,くるしさがにじみでている. やはり日本には定着しないのだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: マイクロファイナンス@ , マイクロファイナンス@Amazon.co.jp.
タイトルからするともっといろいろな話がでてきてよさそうだが,内容は Gmail のつかいかたに約半分のページをさいている. 会社づとめだと Gmail はつかいにくいのでつかっていないが,この本をもとにみなおしてみてもよいとおもう. メイルを分類したり捨てたりしなくなってひさしいが,メイルをパソコンにためていると,おそくてかなわないから…
評価: ★★★☆☆
著者の百戦錬磨 (?!) の経験がいかされた本だ. 類書からはえられない,ふかい内容にみちている. たとえば,他人を説得するための 3 つの方法つまり 統計的な方法,演繹論理法,データのきれはしを論理でつなぐ方法 (論理重合体合成法). それから,「不思議」 と 「面白い」 に関する話題,文章のつなぎかた,などなど. しかし,残念なのは論点が抽象的であり,具体例がひとつもないことだ. よく,かみしめて読む必要があるだろう.
評価: ★★★★★
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おおくの本が最初からデジタルに話をしぼっているのに対して,この本はアナログ通信・変調からはじめている. アナログからはじめるなら,もうすこしデジタルと対比するとよいようにおもうが,淡々と書いてある. 交換方式についてもくわしく書いていて,パケット交換はもちろんだが,アナログとデジタルの回線交換がとりあげられている. そしてやっとインターネットが登場するので,そこまでのみちのりはながい. 一方で,おおくのネットワーク屋がこだわる OSI の話は付録になっている. やはりちょっとふるい感じは否めない.
評価: ★★★☆☆
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図を多用し,ことばもできるだけ平易にして,わかりやすくしようとしていることがわかる. だが,「アドレス」 を 「住所」 と書いているのはやりすぎだろう. 通信制御の章のあとは IP 中心に記述されていて,ネットワーク層,トランスポート層,インターネット上のサービス,画像通信がとりあげられている. うすい教科書であり,ところどころに囲み記事がある以外は,すすんだ内容は記述されていない.
評価: ★★★☆☆
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1 章では電話とインターネットを対比させ,2 章ではアナログとデジタルを対比させている. 3 章は電話のしくみを記述している. そのあと,IP,LAN,セキュリティ,携帯電話,光通信をとりあげている. IP についてはもうすこし書いたほうがよさそうにおもえるが,比較的わかりやすく,バランスよく書かれていて,つかってみたい感じがする.
評価: ★★★★☆
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ネットワークの実際よりは標準プロトコルという側面を重視した記述になっている. Ethernet というよりはブロードキャストをあつかうための MAC プロトコル,データリンク層のプロトコル (point-to-point) としては HLDC などがとりあげられている. IETF 標準である TCP/IP ももちろん記述されている. この記述で読者が具体的な通信をイメージすることができるかが心配になる.
評価: ★★★☆☆
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感覚的な理解を重視して,ページの半分以上がイラストでうめられている. それでいて,2 進法から説明するなど比較的おおくの内容をふくんでいるため.文章による説明は充分でない. イラストが把握できればよいが,それに失敗するとわからなくなるだろう. しかし,ひとつの 「野心的」 なこころみとして評価したい.
評価: ★★★★☆
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タイトルに 「コンピュータネットワーク」 がふくまれるので IP について書かれているのだろうとかんがえて,うらぎられた. WWW など,インターネットのアプリケーションについては具体的に書かれているが,IP, TCP, HTML などのプロトコルについては書かれていない. 大学の教科書を期待したが,高校の教科書をもとに書かれているということなので,この点でももとめているものとはちがった.
評価: ★★★☆☆
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イラストや対話形式もふんだんにとりこんで,2 進法からはじめて,LAN,WAN,TCP/IP をていねいにネットワーク技術を解説している. しかも,LAN や IP については実際にハブなどの機器やケーブル,PC などにさわりながらまなべるようになっている. そのため,内容は比較的かぎられているが 300 ページある. 自習用としてはよいだろう. まちがえて旧版を買ってしまったが,あたらしいほうを買うのがよい.
評価: ★★★★☆
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「ネットワークアプリケーション」 というタイトルだが,ほとんどのページはアプリケーションそのものではなくてアプリケーション・プロトコルの記述にあてられている. もうすこしユーザ・インタフェースがよくみえるかたちで書いたほうがわかりやすかったのではないかとおもえるが,そちらばかり書かれた本が多いなかでは貴重な本だといえるのかもしれない.
評価: ★★★☆☆
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PowerPoint 資料を本にしたような感じで文章がこなれていないし,うすい本なのにちいさなフォントでぎっしり印刷されていて読みやすいとはいえない. しかし,得るところはすくなくない. 「Leggett の木」 という,日本語とはちがう英語の論理に関する説明にも,具体例をつけてていねいに説明している. 連結語の説明でも,文どうしをつなぐさまざまな表現が分類されたうえで具体的にしめされている. ほかにも論文の構成から細部の表現にいたるまで,有用な項目が多々ふくまれている.
評価: ★★★★☆
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以前から有名な論文の書き方の本のなかに 「起承転結」 の 「転」 はいらないという話が書いてあって,もう常識になっているものとおもっていた. ところが,そういう本をあらためてまとめて読んでみると,おおくの本にあいかわらず 「起承転結」 がポイントとして書いてある.
日本では教科書としてつかいにくい厚さと値段のためか,1998 年に出版されて以来,再版されずにいるようだ. そのため内容はいささかふるくて,ほかの本ではあまりとりあげられていない RS-232C やアナログ通信も 1 章をあたえられている.
LAN のトポロジーも最近ではスター型全盛なので他の形態はあまりとりあげられないが,この本では他のいろいろなかたちが論じられていて,なつかしい. 一般論としては,あってしかるべきだろう.
意外なのは ARP に 1 章がさかれていることだ. それほど重要なプロトコルともおもえないのだが…
アプリケーションにかなり重点があり,クライアント-サーバ モデルから論じられている. 個々のプロトコルを論じるよりは,こういう原理のほうが重要だとはおもうが,いまではデータベースなどを論じるときにも必須だから,かならずしもネットワークの本で論じなくてもよいのだろう.
評価: ★★★☆☆
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論文の構成や表現が話題の中心だが,論文の計画から投稿までの過程についても書いている. 論文構成に関しては,序章のかきかたなどに参考になる点がおおい. パラグラフの構成に関してもかなりのページをさいている. 段落のきりかたになやんでいるようなひとは,ぜひ読むとよい. 時制についてもページをさいているが,完了形のつかいかたが書いてないので,この本だけでは不十分だろう.
評価: ★★★★☆
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複数のネットワークをつなぐというとまずルーティングが登場するが,これについてはほかにもいろいろ本がある. しかし,ブリッジングつまり Ethernet でつなぐことに関して,この本ほどさまざまな形態や技術について解説したものは他にないのではないだろうか. また,この本の特徴のひとつは IP 以外のプロトコルとくに IPX,IPX+,CLNP などに関して比較的くわしい説明があることだ. IPX や CLNP のひとつの利点は ARP が必要ないことだという. X.25 や ATM についても書かれている. アメリカでも改訂版はでていないようだが,もっていれば,それなりにやくにたつ本なのではないかとおもう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: インターコネクションズ@ , インターコネクションズ@Amazon.co.jp, インターコネクションズ@GoogleBooks.
最近いろいろコンピュータ・ネットワークの本をあさっているのだが,それは私がネットワーク・プロトコルに関して最近かんがえているのことにちかい内容が書かれているものはないか知りたいということからだ. そのかんがえとは,ひとことでいえば,従来のネットワークの教科書は 「層」 という概念とくに OSI 7 層モデルにとらわれすぎているのではないかということだ.
イラストや対話形式もふんだんにとりこんで,2 進法からはじめて,LAN,WAN,TCP/IP をていねいにネットワーク技術を解説している. しかも,LAN や IP については実際にハブなどの機器やケーブル,PC などにさわりながらまなべるようになっている. そのため,内容は比較的かぎられているが 300 ページある.
というわけで,ひとめみたかぎりはよさそうにみえたが,よくみてみると Ethernet は 10 M ビットばかり書いていて,100 M (Fast Ethernet) や 1 G のことはほとんど書いてないなど,2009 年出版にしてはふるい. 改訂をさぼっているということだろう. これはいただけないので,★をひとつへらした.
評価: ★★★☆☆
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タイトルからするとソーシャルメディアをひろく論じているかのような印象をあたえる. 実際,3 章ではさまざまなソーシャルメディアに 2 次元の分類をあたえて論じているが,4 章以降はおもに著者がかかわってかた企業コミュニティについて,経験にもとづいて論じている.
インターネットというとドッグ・イヤーということばを連想するが,著者は 10 年以上にわたって企業コミュニティにかかわってきたという. 実際,企業コミュニティの中心は顧客つまり人間だからドッグ・イヤーではうごかない. じっくりとりくむのが重要だということをおしえてくれているといえるだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ソーシャルメディア進化論@ , ソーシャルメディア進化論@Amazon.co.jp.
Amazon.com で $10 くらいで売っているのをみて lucky! とおもって買ったが,Amazon.co.jp でも 1000 円くらいで買えるのだった. これまでにみたずっと高価な画集でもみたことがないダリの絵が,ここにはたくさんある. これはお買いどくだ.
評価: ★★★★☆
関連リンク: Dali@Amazon.co.jp.
カンディンスキーというとこの本のカバーにもあるような抽象的な絵しかおもいうかばない. ところが,この本にある大半の絵は具象的だ. カンディンスキーってこういう画家だったんだ.
評価: ★★★★☆
関連リンク: Kandinsky@Amazon.co.jp.
表紙に著者名がなくて,だれが内容に責任をもっているのかもわかりにくい. 内容は 2 ページ単位になっていて,章もくぎられているが,各章になにを書こうとしたのかもよくわからない. 2 章は 「インターネットのしくみ」 と題されているが,歴史や接続方法などが書かれていて,しくみについて書こうとしているようにはみえない. 逆に 3 章は 「データ通信のしくみ」 と題されているが,TCP/IP や IP アドレスなどについて書かれているから,インターネットのしくみはここで説明しようとしているようにみえる. というわけで,内容がこまぎれかつバラバラで,系統的な理解をさまたげているようにおもえる.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: 初歩からのネットワーク@Amazon.co.jp.
スタイルの定義のしかたやそのほかの設定のしかたを微に入り細に入り説明している. しかし,それでどういう形式の論文ができるのかが直観的にわかるように書いてない. 実際にやってみればわかるということだろうが,あまりに不親切ではないか. 論文のイメージをみせられなければ,設定する気もおこらない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: Word活用法@ , Word活用法@Amazon.co.jp.
東日本大震災後,原発に関する反省がひろがっている. 原発の危険を指摘するひとがいたにもかかわらず,それは無視されてきた. 著者はそれを 「空気」 を読んだからだと主張しようとしているようだ. しかし,この本のなかで 「空気」 は唐突に登場する. 著者は日本人が 「空気」 を読み思考停止したことを批判しているが,ここで思考停止したのは著者自身なのではないか. もし思考停止していないというなら,なぜそれが 「空気」 の問題なのかを説明する必要がある.
著者は放射線による発ガンに関して 「年間 20 ミリシーベルトを被爆してガンになり死亡するのは,1000 人に 1 人」 と書いている. それは客観的な結果なのだろうが,放射線がなくても死亡率はそれにちかい値であり,放射線によってふえているとしてもわずかだということが,この文章からはわからない. こういう不正確な記述から読者をあやまった方向にみちびいているようにおもえる.
評価: ★☆☆☆☆
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サラリーマンはリスクをさけるために週末起業するべしという本だ. できる範囲のことで週末起業をはじめて,たのしく仕事をしながら成功するまで続ける. 成功して,いそがしくなったら人をやとう. 月収 50 万円をこえるくらいになったら会社をやめて独立する. 節税や会社にいうかどうか,などなど. さまざまなノウハウが書かれている. 中高年のサラリーマンには切実な問題だ.
評価: ★★★☆☆
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著者は日立につとめたまま,出版・講演ほかさまざまな仕事をしてきた. そういう著者が会社の外とのつながりをつくり,時間を節約して外の仕事のための時間をつくりだす方法をいろいろ書いている. この種の本のなかにはもっと過激な内容のものもあるが,著者は日立社員らしく,おとなしい方法したがって比較的やりやすそうな方法を示している. これなら実行可能なひとも比較的多いのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
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著者は週末起業をすすめず,「才テク」 と呼ぶ副業をすすめる. 才能をいかして,かるいきもちで,コストをかけず,すきなことをする. 著者の場合,それは本を書いたりプロデュースしたりする仕事だという. 著者自身だけでなく,ほかの 10 人くらいの副業も紹介されている. そのなかには,かたい本業をもちながら AV 男優をするひともいるという. 読者はこういうなかから副業をはじめるヒントがえられるかもしれない. この本ではさらにそれを継続させるための秘訣もいろいろ書かれている.
評価: ★★★☆☆
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検索というとほとんど Google ばかり,つかっている. しかし,この本ではいろいろためしてみて,Google ではうまくさがせないがほかの検索エンジンならうまくいく例や,キーワードのあたえかたによってうまくいく例などをあげている. 検索がうまくいかないときは,もうすこし,あたまをつかってみることにしよう.
評価: ★★★☆☆
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かつては会社がまず社員のものだとしていた日本企業が,1990 年代以降,会社は株主のものという米英流に影響されている. しかし,著者はあたらしい時代にあった人本主義にむかうべきだという. 2000 年に初版が出版されたあと改訂されていないため,とりあげられた統計などはふるいが,主張はいまでも重要だ.
評価: ★★★★☆
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