世界のなかでの日本の存在感がちいさくなっているなかで,著者は韓国,中国などとどう対峙していくか,また原子炉や新幹線などの日本製品をどう海外に売りこんでいくかなどの点を論じている. それぞれの論点に関しては示唆的な部分をふくんでいる. しかし,全体としてみると印象がうすい. さまざまな論点がうまくからみあっていないようにみえる. また,震災後に原子炉輸出の問題をとりあげているのに,事故に関する配慮がないのも疑問を感じる. 新興国が台頭し,日本の人口や経済が縮退するなかで,日本の復興は容易でない. だから,もうすこし全体的なビジョンがなければ,それを実現させることはできないのではないだろうか.
評価: ★★☆☆☆
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