最初だけネットワークを糸電話にたとえている本はほかにもあるが,この本はさまざまなネットワークの原理を最後まで糸電話で説明しようとしている. 非常にユニークな本だ. 糸電話とネットワークとのアナロジーはかなりうまくいっている.
しかし,著者はネットワークの専門家ではなくて,かならずしも理解が十分ではないようだ. 残念ながら,ほんもののネットワークに関する説明が適切でないところがある. たとえば,「「ネットワークのネットワーク」 方式では,最終的なあて先とは別に,次に渡す人のあて先が必要になる」 こと (それじたいはただしい) の説明に MAC アドレスが 「次に渡す人のあて先」 としてつかわれると書いているが,インターネットでは 「次に渡す人のあて先」 (ネクストホップ・アドレス) も IP アドレスだ.
評価: ★★★★☆
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