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社会・経済:日本の再生と針路, 書評:社会・経済

著者がいう 「論理的思考」 の意味はわからない ― 鈴木 光司 著 「選択の時代」

著者は 「論理的思考」 が重要だと強調し,自分は 「論理的」 に思考しているという. しかし,そうだとすると著者のいう 「論理」 とはなんだろうか. それについての説明はない. このことばを常識的に解釈してよみすすむと裏切られる.

あとがきに 「人生に習熟するとは,無数にある選択肢を,一瞬で,2 つ程度に絞り込めるようになる,ということなのです」 と書いている. この本のタイトルは 「選択の時代」 だから,これはきっと著者にとってこの本のエッセンスなのだろう. しかし,通常の意味の論理は逐次的なものだから,それによって一瞬で選択肢をしぼりこめるわけがない.

しかし,この文を読んでからふりかえると,1 章で通常の意味の論理展開なしに 「太平洋戦争当時を振り返れば,どこが間違ったか,おおよそのところはわかります.…」 と書いているのが著者が 「一瞬で」 判断したことなのだろうとかんがえると納得がいく. だが,やはり著者がいう 「論理的思考」 の意味はわからない.

評価: ★☆☆☆☆

関連リンク: 選択の時代@ [bk1]選択の時代@Amazon.co.jp

注記: BK1書評Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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