金正日が死亡して金正恩があとをついだ. それによってすぐにおおきな変化はないだろうといわれている. たぶんそのとおりなのだろうが,過去の事例から,サプライズを期待したくなる.
サプライズというのは,スペインの独裁者だったフランコが死んでカルロスが国王になったときのことだ. カルロスはフランコのもとでそだてられてきた. だから,フランコとおなじような独裁政治をつづけるのではないかとおもっていた. ところが,国王となるといちはやく立憲君主制をととのえ,民主的な政治体制をきずいた. 内戦のおそれが生じると,軍服を着て決然とテレビに登場し,危機を脱することに貢献した.
こういうスペインの事例はまれなことだろうが,当時のスペインよりはるかに内部が知られていない北朝鮮のことだ. 予測しがたいことがおこる可能性はあるだろう. 金正日は金正恩をヨーロッパ (スイス?) に留学させていたという. 金正恩の素質がどうであるのかはわからないが,すくなくとも国際的な教育をうけさせ,世界をよく知るようにしようと意図していたことはたしかだろう. それがもし成功していれば,袋小路におちいっている現状からぬけだすべく,改革を指向することはありうるのではないだろうか. 可能性はひくいかもしれないが,そういう方向でのサプライズがおこることを期待したい.
キーワード: キム・ジョンウン,キム・イルソン