教養主義は死んだといわれてひさしい現代に,著者は大学における教養教育の重要性を初年次教育とあわせて強調している. 東大が教養学部をのこしたことが成功であったのなら,教養教育が重要なのはたしかだろう. しかし,「教養とは異分野の人と恊働するために欠かせない能力であると規定すると,教養の意義はとても分かりやすくなるはずです」 という記述はまったく理解不能だ. 教養についてのかんがえがふかまらないまま大学の教養教育について論じても,十分な議論はできないだろう. 初年次教育を教養教育とあわせて論じていることも,議論がふかまらない理由のようにおもえる.
評価: ★★★☆☆
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