アマゾンのベストレビュワーから脱落した
最近まで,アマゾンのベスト・レビュワーとして登録されていた. しかし,アマゾンでは新旧 2 つのレビュワー・ランキングがあり,ふるいほうでは 500 位以内なのに,あたらしいほうでは 8000 位以下になっていた. 最近ふるいランキングが廃止されて,ベスト・レビュワーからすべりおちてしまった.
最近まで,アマゾンのベスト・レビュワーとして登録されていた. しかし,アマゾンでは新旧 2 つのレビュワー・ランキングがあり,ふるいほうでは 500 位以内なのに,あたらしいほうでは 8000 位以下になっていた. 最近ふるいランキングが廃止されて,ベスト・レビュワーからすべりおちてしまった.
著者はゲームのインターフェースを分析して,ひとをひきつけるための 4 つの原則をまとめている. この本ではその原則がゲームマシンのどういうインターフェースにいかされているかを具体的にしめしている. ゲームニクス理論の 4 つの原則とは 「直感的な UI」,「マニュアル不要の操作理解」,「はまる演出と段階的学習効果」,「ゲームの外部化」 である. これらの抽象的な原則と実際のユーザ・インターフェースとのあいだのギャップはおおきくて,この本の説明だけでじゅうぶんにうめられているとはいえない. また,ファミコンなど,ふるい例がおおいことも読者の興味を十分にひきつけられない原因になるだろう. しかし,4 つの原則をたてて,それらを実例で説明しているこの本の価値はちいさくないとおもう. 残念ながら,内容がひろいユーザ・インターフェースに関する議論であるにもかかわらず,すぐにふるくなるタイトルをつけているのは失敗だろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ニンテンドーDSが売れる理由@ , ニンテンドーDSが売れる理由@Amazon.co.jp.
よく知られているとはいえない 小室 直樹 をその死を機会として紹介しようというのは,わるくないかんがえだとおもう. しかし,この本は 1992 年に出版された本をわずかに改訂しただけで再度,出版しているだけだ. 小室はその後も重要な本を書いているし,当時といまとでは評価軸もかわってきてしかるべきだろう. 1992 年以前の小室の本の評価が当時と現在とでそれほどかわるとはおもわないが,この本の内容はいかにもふるいし,せまい.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 小室直樹の学問と思想@ , 小室直樹の学問と思想@Amazon.co.jp.
最近読んだ本のなかで,これほど印象のうすい本はほかにない. 書いてあることはそれぞれもっともなのだが,いずれもどこかで読んだことがあるようにおもう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: イノベーション思考法@ , イノベーション思考法@Amazon.co.jp.
震災後,他の仕事をすべてキャンセルして官邸の参与となったという著者がみた原発事故処理の問題点が書かれている. 重要な指摘はいろいろあるが,そのなかから 2 つをあげると,まず,政府や専門家がおちいりやすいおとしあなとして,国民の不安をかきたてないために安全性を強調すると,自分も 「安全だ」 という暗示にかかってしまうという指摘がある. そういう暗示が 「根拠のない楽観的空気」 という最大のリスクにつながっているという. また,政府や専門家は国民の社会心理あるいは精神的な被害を軽視しているという指摘をしている. 「科学的」 であろうとするとおちいりやすいあやまちなのだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 官邸から見た原発事故の真実@ , 官邸から見た原発事故の真実@Amazon.co.jp.
いままで変化がなかったところに急におおきな変化がおこる瞬間をティッピング・ポイントという. この本はサブタイトルにある 「ネットワーク理論」 についてはなにも書いてなくて,書いてあるのはこのティッピング・ポイントのことだ. とはいえ,あつかわれている問題は人と人との関係 (= ネットワーク) であり,ネットワーク理論が対象としているものだ. えられる結論もよく似ている. また,ティッピング・ポイントをちょっと押せば世界をおおきくかえることができるということは,「カオスの淵」 ということばをおもいおこさせる. いろいろと刺激をあたえてくれる本であることはたしかだ.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 急に売れ始めるにはワケがある@ , 急に売れ始めるにはワケがある@Amazon.co.jp.
宮崎シーガイアでの学会にあすから参加するために宮崎にきた. 学会の場所はシーガイアなのだが,いくつか理由があって日豊本線の佐土原 (さどわら) 駅そばのホテルにとまることにした. きょうは日曜日なので,一旦そのホテルに荷物をおいてから,佐土原と,そこから 2 駅南下した蓮ケ池付近をあるいた.
宮崎市佐土原にきて 3 日めだ. 日曜だった初日をのぞけば佐土原にいるのは朝晩だけだが,いろいろみえてきたこともある. ひとことでいえば,ここにはある程度の独自の観光資源もあるのだが,いろいろなしくみが地元のひとむきになっていて,「よそもの」 には便利でないということだ.
最近,九州の 2 つの施設に関するニュースが耳にはいった. ひとつは長崎ハウステンボスだ. 中国からの観光客をハウステンボスにみちびく方法をつくったらしい. もうひとつは,いま学会がひらかれているシーガイアだ. セガサミーが買収してたてなおすのだという. こちらも中国などからの観光客にきてもらう方法をかんがえているのだろうか.
左右にあるエサのうちのどちらをたべればよいかがわからずに餓死する動物 (馬だとおもっていたがロバだという) の寓話が,ときどき,あたまのなかにうかんでいた. 童話作家がつくった話だったのではないかとおもっていたが,しらべてみると (確実ではないが) ビュリダンという哲学者がつくったものだという.
シーガイアでの学会のために佐土原にとまって,鯨ようかんなる菓子のことを知った. ほかでは売っていないということなので,みやげには最適だとかんがえて,2 種類,買ってかえった. 予想どおり,2 種類の鯨ようかんにはだいぶ差があった. その差をたのしんでいる.
Apple から iPad の新機種が登場したが,the New iPad というなまえなのだという. あたらしいなまえがきめられなくて,お茶をにごしているとしかおもえない. Jobs のいない Apple はもう,うまくいかなくなっているということだろうか.
3 部構成だが,1 部と 2 部は数学的思考というよりは経済学的思考について書いている. 現代においてお金なしでいきていくことはできないから,経済をただしくとらえるのは必要なことだろう. 3 部は村上春樹の小説などを 「数学的」 だととらえて,分析している. しかし,読んでみても村上春樹がどう数学的なのか,わからない. 「難しい」 と書いているレビュアーもいるが,「数学的」 あるいは論理的にわかるように説明できていないのは著者の責任だ.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 数学的思考の技術@ , 数学的思考の技術@Amazon.co.jp.
20 世紀の科学はさまざまな限界に直面した. この本はそのなかの,ハイゼンベルクの不確定性原理やゲーデルの不完全性定理などについて書いていて,この本のタイトルにふさわしい. しかし,最初の章は経済学が中心であり,「限界」 ということばとの関係はあまりピンとこない.
この本は (対話形式というよりは) 多数のひとの会話 (ディベート) という形式で書かれていて,立場がちがうさまざまな経済学者や科学者,一般人などが登場する. どういう立場のひとがどういう主張をしそうかがわかるのはよいが,あまりにいろいろなひとが登場してくるので,実はディベートにはなっていないし,だんだんわからなくなってくる.
ここに登場してくる不完全性定理やテューリング・マシンそのものは日常生活に関係ないようにみえるが,それらが神の不在の証明につかわれたり,人間とコンピュータ (テューリング・マシン) との差を議論したりしているので,一般人にも興味のある話題になっているだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 理性の限界@ , 理性の限界@Amazon.co.jp.
2012 年 3 月なかばにロサンゼルスに出張する機会があった. ほとんどホテルの周辺にいただけだが,書いた項目をまとめておく. (日付は意図的に出発時にしている.)
3 月 4 日の大河ドラマ 「平清盛」 では清盛と…が 「すごろく」 なるものをするシーンがあるが, このすごろくは現在のそれとはちがう. 多数のコマをならべて,2 つのさいころを振っている. これはバックギャモン (backgammon) のようにみえる. ルールにはちがいがあるのだろうが,これも中国からきたものなのだろうか.
ロサンゼルスへの出張にシンガポール航空をつかったが,ここではおもにそのときの機体について書く. 機種はエアバス A380-800,800 席搭載可能な機体だ (実際の席数は 500 くらい?). この機種に乗るのははじめてだ. まどぎわの席もゆったりしていて,よい.
ロサンゼルスへの出張にシンガポール航空をつかったが,ここではそのときのオーディオ/ビデオ・サービスについて書く. シンガポール航空は機内サービスが充実していることで有名だが,おもっていた以上だ. エコノミークラスでも液晶画面は 10 インチくらいあり,ザッピングもしきれないくらい,さまざまな番組が用意されている.
ロサンゼルスの Hyatt Regency Century Plaza というホテルに滞在している. このホテルをえらんだのは,ここでひらかれる GEC 13 (GENI Engineering Conference 13) という会議に参加するためだ. Hyatt Regency というと高級ホテルというイメージがあり,実際ここもやすくないのだが,あまりつかい勝手のよいホテルではない.
アジアでは夜中,人がいるオフィスや大学などに 「不夜城」 ということばがつかわれる. しかし,ロサンゼルスのホテルの窓からみえる近隣のオフィス・ビルをみると,「不夜城」 ということばがここでは意味をなさないことがわかる. ひとがいるわけではないが,あかりがきえることがない.
1989 年にアメリカに住んでいたころから,NHK の世界むけの放送をきくことができた. 当時はそれによって日本のニュースをしいれていた. しかし,ロサンゼルスでみたそのニュース番組はかなり,さまがわりしていた.
アメリカのテレビ放送デジタル化のスケジュールはすくなくとも最初は日本に先行していた. ところが,ロサンゼルスのホテルでうつせる放送局の大半はまだアナログだ. ところが,このホテルにある受像機はデジタル対応の液晶画面をもっていて, アナログ放送はただしい縦横比でうつらない. もしデジタル・テレビを買ったおおくのひとがこういう画面をみているのだとしたら,アメリカの (あるいはすくなくともロサンゼルスの) テレビのデジタル化はうまくいっていないといってよいのではないだろうか.
以前は飛行機にのるといやだったことのいくつかが,最近はなくなっている. 快適になるように改善がすすんできたということだろう.
名門といわれる 36 の中高をかいまみて,授業のようすや教育方針などについて書いている. 新書 1 冊に 36 校なので,もともと,それほどつっこんだ内容は期待できないが,それにしても授業の表面や教師が言ったそのままを書いているだけという印象がぬぐえない. もし内情に気づいても,それを本に書いたらまずいということかもしれないが…
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 名門中学 最高の授業@ , 名門中学 最高の授業@Amazon.co.jp.
この本ではまず,1949 年から 60 年間にわたる高校の東大合格ランキングを左ページの表に書き,右ページにその解説を書いている. これらの表の資料価値がこの本の一番の価値だろう. そのうえで,さらに地域ごとに分析したり,宗教系の高校について分析したり,さまざまな分析をくわえている. 60 年のあいだにきえていった学校もあるが,とくに 1960 年代からは,さまざまな制度改革があったにもかかわらず,しぶとくいきのこっている学校があることがわかる.
興味があるのは過去よりも未来だが,今後はどうなっていくのだろう. 「東大合格」 そのものが高校の評価基準としての価値をうしなっていく可能性がたかいようにおもうが,それでもこれまでの傾向がつづいていくのだろうか. それとも,なにかおおきな変化があるのだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 東大合格高校盛衰史@ , 東大合格高校盛衰史@Amazon.co.jp.
現代の教育をたてなおす方向をリベラルな立場からさぐっている. 特定の科目や特定の題材にしぼった議論もふくまれているが,全体としては抽象的であり,教育現場をよくしらないものにとっては,この議論と現実の教育とを関係づけにくい. 現場にいる教師には有用な考察であるのかもしれない.
評価: ★★★☆☆
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チェルノブイリ周辺の住民や原発事故対策にかかわったひとびとの証言をあつめている. この本の解説にもあるように,著者が書こうとしたのは客観的事実だけではなく,ひとびとのこころ,とくに愛である.
福島でも原発事故に対策がとられ,事故そのものや住民の証言が取材されている. しかし,とくに対策に関しては客観性が重視されるぶん,ひとびとのこころがなおざりにされている. 取材においても,まだとらえきれていないもの,そしてこの本からまなぶべきことが,いろいろあるのではないだろうか.
評価: ★★★★☆
関連リンク: チェルノブイリの祈り@ , チェルノブイリの祈り@Amazon.co.jp.
著者の主張はかならずしも,わかりやすくない. 一方ではネットリテラシーかひくい 50 歳以上の経営者がこれまでのやりかたに安住しようとするのを批判しつつ,もう一方では ウェブが従来のメディアをおきかえるわけではないし,ウェブビジネスがこれまでとまったくちがうものではないことを主張している. 極端な主張のほうがハギレはよいが,真実はそうではないというわけだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: バカ企業@ , バカ企業@Amazon.co.jp.
モノのデザインだけでなく,コミュニケーション,環境など,さまざまな分野のデザインがあつかわれている. 古代までふくむデザインの歴史にもふれている. だが,淡々と記述していて,どの部分にもつよい印象がない. もうすこし表現にくふうがあればよかったようにおもう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: デザイン的思考@ , デザイン的思考@Amazon.co.jp.
iPS 細胞についてはいろいろなメディアでとりあげられているが,山中教授が論文をなぜネイチャーでなくセルという論文誌にのせたかなど,これまで知らなかったエピソードもとりあげられている. iPS 細胞に関しては周到な特許戦略が練られているが,新津教授の白血病の治療法に関しては特許をとらずに学会発表してしまったために世にだすことができなくなったことが紹介されている. 科学技術そのものだけでなく,こういう特許や賞 (ノーベル賞,イグ・ノーベル賞など) もこの本の重要な話題だ.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: ブレイクスルーの科学者たち@ , ブレイクスルーの科学者たち@Amazon.co.jp.
著者がいう 「ゲーミフィケーション」 はせまい意味でのゲームをとりいれることだけでなく,ゲーム性を積極的にとりいれることを意味している. ビジネスにはもともとゲーム性があるが,さらに積極的にゲーム性をとりいれることによって,ひとびとをもっとひきつけることができるというわけだ. スターバックスやディズニーランドをはじめとするさまざまな例がとりあげられている.
だが,話はだんだん拡大されていき,ひとの行動をセンサーでとらえてフィードバックすることによって,やる気をださせることもとりあげられる. 孔子までがゲームの可能性に気づいていたとされるが,これにはくびをかしげざるをえない. 話をひろげすぎているために,やや散漫な印象をあたえているようだ.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: ゲーミフィケーション@ , ゲーミフィケーション@Amazon.co.jp.
震災復興に 20 兆円くらいかかるというのは大嘘で,実は被害は 5 兆円程度だと著者は主張する. 復興のためと称して過大なインフラをつくるべきではない. しかし,この差はおもに,(復旧でなく) 復興に必要な全額をみつもった金額か,減価した資産の震災時の評価金額かというところからきているのだろう. この差額をだれがどういうふうに負担するべきなのか? すべてを被災者や被災地の自治体に負担させるというのは非現実的だろう. しかし,すべてを返済不要のものとして国民全体で負担するのが適切だと自信をもっていえるだろうか. とくに,もしそれが景気を悪化させるとしたら… だから,著者の主張も疑問は多々あるが読むに値するものだといえるだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 欺瞞の構図@ , 欺瞞の構図@Amazon.co.jp.
2 週間ほどまえからスパムメールが急増している. 最近おこったかもしれないこととしては,4 月からはじまる工学院大学での講義のシラバスを書いたので,それが公開されたのかもしれないとおもった.
会社ではこれまでもルータに 10 G Ethernet のケーブルをつないだりすることはあった. しかし,サーバに 10 G イーサネットのカードをとりつけて通信してみたことはなかった. 最近,Linux (Cent OS 6.2) をのせたサーバで 10 G の通信をすることが必要になったのだが,数日かけて,まだうまく通信できていない.
自宅の屋根で太陽光発電をはじめて 2 年ほどだ. 年間 40 万円相当の発電ができれば 10 年くらいでもとがとれるという計算をして,正確にはわからないが実際にだいたいそのくらいの効果をあげている. ところが,補助金をうけた東京都から 3 月はじめに,環境価値の測定結果が負になるというありえないことがおこっているとして調査がもとめられた. みてみると,たしかにそうなっている.
ちかごろ,MacBook Air をひらいてもすぐに無線 LAN (WiFi) がつながらないことがしばしばある. 自宅のなかには局 (アクセスポイント) はひとつしかないのだが,周囲の家のどこかにも局があるのだ. しかも,そのうち 2 局はかなり電波がつよいことがある. そのため,Mac はどこにつないだらいよいか,わからなくなるのだ.
まだ大学にいたころ,情報処理技術者試験をためしにうけたことがある. 当時は 1 種,2 種の 2 とおりしかなくて,そのうちの上位つまり 1 種の試験をうけて,とおった. それ以来この試験もいろいろ変化して,いまではこまごまわかれて,専門的な試験をしている. そのなかにネットワークスペシャリスト試験というのがあって,すこし気になっていた. そこで,すこしまえにどんなものか,古本を買ってみてみた.
20 世紀美術のさまざまな運動について,作品をみるよりは運動や作家について読むための本だ. 解説にも作品の写真にもひきつけられるし,もちろん写真の数はすくなくない. しかし,本文ではとりあげられているが作品はのせられていない作家がすくなくない. だから,「見たい」 という欲求には十分にこたえてくれない. 2310 円という価格からすると,もうすこし見せてほしい (ページをふやしてほしい) ようにおもう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: すぐわかる20世紀の美術@ , すぐわかる20世紀の美術@Amazon.co.jp.
約 300 ページのうち半分を津波・地震に,そしてのこりの半分を原発事故にあてている. 著者自身がみたもの・きいたものから,地震の歴史,対策など,1 冊でひととおりカバーしようとしている. 範囲がひろい反面,それぞれの話題にはいまひとつ迫力がない. 著者は 2021 年の中高生がこの震災について知るために最初に読む本をめざしたというが,すくなくとも最初に読む本にはもっとインパクトが必要だろう.
評価: ★★★☆☆
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著者のライフログへの思い入れがつたわってくる. そして,それをのこすために,いろいろなくふうをしてきたことも… しかし,ライフログに思い入れのない者には,この本を読んでもなぜそんなにライフログにこだわるのかがわからない. モノローグのような印象だ. 著者はブログもライフログに似たものだとかんがえているようだが,自動的または半自動的に記録されるものとブログとのあいだには,おおきなちがいがあるだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 記憶する道具@ , 記憶する道具@Amazon.co.jp.
宗教者である著者は生きるのがつらいとおもっているひとになにができるかをかんがえてきた. この本もそういうひとにむけられている. この本に共感するひとの声をきけば,この本に価値があることはあきらかだろう.
しかし,著者のかんがえはほとんど日本のなかにとじてしまっているようにおもえる. 世界をみれば,たとえばブータンのような国もある. あまりに現在の日本とはかけはなれているかもしれないが,日本人とはちがうかんがえかたもまた,日本人をすくうのに貢献するようにおもう.
評価: ★★★☆☆
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関東大震災と東日本大震災のときの政治状況の比較がこの本の中心テーマになっている. とくに東日本大震災のときの政治家については,ことばをきわめて批判している. しかし,それではそのとき政治家がどうすればよかったのかについてはそれほど明確なことを書いてはいない. それは関東大震災についてもおなじだ.
震災後の政治状況を分析するのは必要なことであり,著者の努力は貴重なものだとおもう. しかし,80 年を経てもなお正解がわからないのに,なぜ正解をみつけられない現代の政治家をこれほどつよく罵倒できるのか,理解できない. 政治家がちからをだすべきときに,そのちからをそいでいるのは,こういうジャーナリストなのではないだろうか.
評価: ★★☆☆☆
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並行宇宙論に関する古典といってもよい本だ. 科学者が科学の世界をこえて並行宇宙を語るのはめずらしいことではないが,そのなかでもこの本はおおきく科学の世界を逸脱している. おもしろいことはまちがいないが,このような内容の本をブルーバックスにくわえたことに疑問を感じざるをえない.
一般むけの本だから平易であるべきだろう. しかし,相対性理論や量子物理学という常識をはるかにこえた理論からえられる並行宇宙のイメージがこんなに常識的なものでありうるのかどうかには疑問を感じる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: もう一つの宇宙@ , もう一つの宇宙@Amazon.co.jp.