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書評:Web とインターネット, Web とインターネット

数理科学とよぶのは不適切だし,信頼性のひくい議論 ― 桂 利行, 藤原 洋 著, 「インターネット数理科学 ― 数学から生まれるイノベーション」

著者らが東大大学院でおこなった 「インターネット数理科学」 という講義をもとに書いたという. タイトルもそのままつかわれているが,実際の内容は暗号などの部分をのぞいて,大半が 「数理」 つまり数学的な内容ではない.

「数理科学」 ということばがついていると正確な内容を期待してしまうが,正確さにも問題がある. 1.2 節には,インターネットは完全分散型のネットワーク構成をとっていると書かれているが,ここではネットワークの構造を話題にしているから,この記述はただしくない. ルーティングなどの制御に関してならただしいのだが… また,1 章ではルーティングテーブルとフォワーディングテーブルを分離して記述しているのに,4 章では両方の内容が 「ルーティングテーブル」 ということばで参照されていて,一環していない. ことなる著者が書いているためだろうが,1 冊の本の一貫性くらい,チェックしてもらいたいものだ.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: インターネット数理科学@ [bk1]インターネット数理科学@Amazon.co.jp

注記: BK1書評Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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