ひきこもる若者に対するメッセージという意味もあるのだろうが,そういう意味でのこの本に対する評価は私には書けない. しかし,「ひきこもり」 や学校やその他の 「常識」 に対する著者の懐疑は,読者をこれまでのとらわれから解放してくれるだろう.
たとえば,「ほとんどの親が間違えているのは,学校というところは勉強をするところだと信じているところです」というのもそのひとつだ. 学校はそんなに一生懸命,勉強できる場所ではないということは,もしかしたらわすれがちなことなのだろう. こどもが自殺するのは親に原因があるのではないかという議論も,すべてを学校におしつけることへの疑問であり,かんがえてみる必要があるだろう.
著者が書いていることが絶対の真実であるというようなことはない. しかし,ひとびとが真実だと信じていることをうたがわせ目をひらかせることに,この本 (だけではない著者の議論) の価値があるのだとおもう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ひきこもれ@Amazon.co.jp.
注記: Amazon.co.jp の 書評 に投稿しています.
キーワード: