この本より最近書かれたウンベルト・エーコの 「完全言語の探求」 と同様に 「アダムの言葉」,洪水,バベルの塔 からはじまり,チョムスキーにつづいていく普遍言語が中心のテーマになっている. だが,エーコの本とはちがってユートピア小説とその作者にひかりをあてている. ゴドウィンの 「月世界の人」 をはじめとする月や火星の話,ならってもいない外国語や不思議なことばを話すひとの話 (「外国語がかり」 や 「異言」),そのなかにも 「火星語」 を話すエレーヌ・スミスの話がある. この本を読んでもなお正体不明だが,これらの話題にひきつけられる. エスペラントについても言及している部分はあるが,それはこの本のテーマではない. エーコの本とあわせて読むとよいだろう.
評価: ★★★★☆
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