TPP の内容を他の本よりよく紹介し,日本がおかれた政治・経済・歴史などの背景をよくとらえたうえで,なぜ TPP に参加することが日本の 「興国」 によいのかを論じている. TPP のなかで日本の立場をみとめさせていくのは容易でないことは著者も書いているが,そこに参加しないのは敗北主義であり,日本を衰退させることになるだろう.
著者の意見はひろく,ふかい知識にうらづけられている. とはいうものの,著者の議論はわかりやすさを重視していて,短絡的なところがあるのは否定できない. 350 ページある,うすくはない本だが,TPP があつかう問題の範囲にくらべると十分ではない. これだけで反対派を納得させるには十分でないだろう.
評価: ★★★★☆
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