トルコのカッパドキア (Cappadocia) に学会のため出張しているが,タイトなスケジュールなので観光はしにくい. しかし,なんとか時間をつくって地下都市があるカイマクリ (Kaymakli) にいってきた. 意外にあっさり,みおわってしまって,かけたコストにみあわない.
ツアーに参加するには 1 日かける必要があるが,そんな時間はない. 地下都市がみられる時間は 8:00〜19:00 ということなので,朝は時間がとりにくい. そのため,夕方,ネブシェア (Nevşehir) のはずれにあるホテル (Dedeman) からタクシーでカイマクリまでいった. ネブシェア中心までいく時間をふくめて,タクシーで 30 分くらい,コストは 60 TL (トルコリラ) かかった. ネブシェアからはバスがでているときいていたが,時間の節約のためにタクシーでいった. 60 リラというと 3000 円弱になるので,やすくはない. トルコのタクシーはけっこうたかい.
山城と城下町,岩をくりぬいた建築など,途中にもみどころがある. そこで,タクシーの運転手の解説をすこしききながら,写真をとる. 両側の写真をとりながらいけるのはタクシーならではだが,時速 60 km 以上だしているので, シャッター・チャンスをなかなかあわせられない. タクシーの運転手がかえりもタクシーにのることをすすめてくるのだが,かえりはバスにのるといって,ことわった.
地下都市のいりぐち付近にはみやげもの屋がならんでいるが,ほとんどなにもみないまま目的地にむかった. 15 リラの切符を買って,改札機をとおって,なかにはいる. 観光バスがくると混雑するからだろう. 非接触型の改札機をつかっている. しかし,トルコ航空などでもみてきたが,この改札機はあまりよくできていない. 何回も切符をかざさないと,読むことができない. 輸入規制されているのかもしれないが,日本のよみとり機をつかえばずっと改善されるだろう.
なかにはいって,へやをみていく. アリの巣のように複雑なかたちをしていて,地図がえがきにくい. 照明されている場所はかぎられているので,そこだけとおれば迷子になることはない. しかし,それ以外のところまでいけば,かえれなくなるかもしれない.
照明されているだけだと,10 分くらいであっさり,みおわってしまう. 電線はさらにさきまでのびているので,もっと客がおおいときには,さらにさきまでみせているのかもしれない. これでは 60 リラもかけたコストにみあわない.
まだ 19:00 までにはだいぶ時間があったので,さらに 10 km 南のデリンクユ (Derinkuyu) までいこうかとおもった. しかし,ちかくにいるひとに話をきいても (英語はつうじなかったのだが) バスもタクシーもつかえないという. くるまできていれば 9 km なのでたいしたことはないというわけなのだが,あるくとなるとそんなに楽ではない. しかも,デリンクユにいくバスがないということは,ネブシェアまでいくバスもないということだ. 道には立派なバス停があるのだが,いまはバスはないというのだ.
ネブシェアまでは 20 km くらいだから,あるけないことはない. しかし,ゆっくりあるけば 5 時間かかる距離だから,いくら 8 時すぎまであかるいからといっても,あかるいうちにネブシェアまでつくのは困難だ. デリンクユまでいけば,かえるのはさらに困難になる. カイマクリでほかのひとにきけば,ちがうこたえがかえってきたのかもしれないが,もどってべつのひとにきく気にもならないので,ともかくネブシェアをめざして,あるくことにした.
カイマクリのちかくにはほかにあまりおもしろい遺跡などはないようにみえる. 道をあるいていても,景色はそれほどおもしろいものではない. しかし,みちばたの植物は日本でみたことがないものがおおくて,興味をひかれる. なので,その写真をとりまくった. つぼみがたくさんついているようにみえるのに,咲いているのは一輪だけという花がたくさんある. ひとつずつ咲かせることによって,わずかしかいない昆虫などを長期間にわたってひきよせようということだろうか?
道をひとりであるいている外国人がいれば気になりそうなものだが,ほとんどのくるまはとまることなく,時速 80 km 以上でとおりすぎていく. そのなかにバスはない. 乗り合い自動車のようなものはとおることがあったが,それもすくない. この時間にはやはりタクシーを確保しておかなければ観光するのはむずかしいのだろう. そうすると往復で 120 リラ,かなりの出費になる. そのかわり,デリンクユなど,ほかの場所もみることができる.
植物にもあきてきたころ,1 台の乗用車がまえにとまった. ネブシェアまでいくことは通じたが,英語が通じないし,こまかい地名など知らないので,それ以上は通じない. しかし,ネブシェアまでのっていけ,ということになって,のせてもらった. ネブシェアの交差点まできて (たぶん最初からここまででいいかをきいていたのだろう),感謝しつつ,おろしてもらった.
おかげで,くらくなるまえにネブシェアのまちをあるくことができた. ここには城もある (タクシーの運転手からそのなまえもきいたのだが,わすれてしまった). しかし,そこまではいかずに,まちなかをあるくことにした.
とくにかわったものはないが,ここでケバブの夕食をたべてかえりたい. レストランはすくなくないが,観光客はすくないので,高級な店はあまりない. また,私自身の趣味からしても,普通のレストランがよい. しかし,ほとんどの店にはメニューはなさそうだ. 私がはいった店にもメニューはなかったが,おやじが多少,英語ができたので,なんとかドネルケバブとキョフテを注文した. ドネルケバブには野菜もそこそこついている. テーブルには,それほどからくない,とうがらしの酢漬けもある. ドネルケバブとキョフテそれどれにパンがついてきた. やまほどあるが,それほどはたべられない. 20 リラ札をだすと,すこしおつりがかえってきた.
ここではタクシーをみつけるのは容易だ. タクシーでホテルまで 12 リラかかった.
関連項目:
2013-1-8 追記: この項目の内容もふくむカッパドキアの写真集を Kindle 本として出版しました (上巻,下巻).