タイトルからすると,日本語を英語やドイツ語などにかわって国際的につかわれる言語に することをめざしているようにみえる. しかし,著者が意図しているのは,それらにとってかわることではなくて,ドイツ語やフランス語と 同様に世界で通用するようにするということだ.
まだ日本にもっといきおいがある時代に書かれた本だから,いまよりは説得力があったのだろう. 日本は 「経済超大国」 だから,それにふさわしい情報発信をするべきであり,日本語をひろめるのも そのひとつだということだ. いまや 「経済超大国」 ではなくなってしまったが,文化的には世界から注目されている部分もあり, また WWW の世界では英語につぐ規模の情報発信があるといわれている. ただし,後者に関しては情報の質において疑問があるが…
日本はこれまで世界から情報をどんどんとりいれる一方で,情報発信や国際政治における主張が よわかった. それを強化するべきだというこの本の主張はいまでも重要だろう.
評価: ★★★☆☆
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