「日本語は国際語になりうるか」 という,そっくりなタイトルの本があるが,その著者である鈴木孝夫がここ (未来学会) でも中心人物のようだ. この本のほうがさきに書かれているが,鈴木の主張はかわっていない. だが,この本は一般公募の作文をふくむ 10 人以上の著者と,シンポジウムの記録をふくんでいる. そのなかにはさまざまなかんがえがある.
日本語を一枚岩の言語として論じた意見もあるが,示唆的なのは日本語は複数あってよいというかんがえだ. 日本語には方言があるということからも一枚岩でないことはあきらかだが,外国人のために簡約化された日本語をつくること,日本語を容易に学習できるようにする標準的な方法 (シラバス) を確立すべきことなどが示唆されている. 日本語を国際語になるかどうかはともかくとして,日本語をまなびたい外国人のためにこのような便宜をはかるのは必要なことだろう.
評価: ★★★☆☆
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