Roberto Navigli が ACM Computing Surveys の 2009 年 2 月号に "Word Sense Disambiguation: A Survey" という論文を書いている. ざっとみただけだが,感想を書いておく.
このサーベイは 69 ページある. Computing Surveys にはながい論文がおおいが,そのなかでもながい. 語彙のあいまいさ解消に関する歴史,さまざまな手法や論文などについて,かなり詳細に書かれている. しかし,自然言語のあいまいさ解消に関する論文であるなら,まず自然言語にとってあいまいさがどういう意味をもつのかを考察する必要があるのではないだろうか.
この論文では自然言語にどういうあいまいさがあるのかも例をつかってかんたんに記述しているだけだ. あいまいさの分類にもふみこんでいない. たしかに,そこにふみこめばそれだけで 1 冊の本が書けるくらい内容がある. だから,ふみこみたくなかったのかもしれない. しかし,そこをとばして手法の議論をはじめてしまうと,手法の意味や論文の価値をせまい観点から判断することになってしまうのではないだろうか? だから,この論文には不満を感じる.
キーワード: