ギガビット・イーサネットが普及して以来,それまで頭痛のタネだったストレート・ケーブルをつかうのかクロス・ケーブルをつかうのかという問題は解消されたようにおもっていた. ふつうにイーサネットをつかうひとにとっては解決されたのだとおもうが,IP やイーサネットのつぎを研究している身には,そうでないということが,だんだんわかってきた.
ギガビット・イーサの NIC (インターフェース・カード) にはいろいろな付加機能がある. ストレートとクロスのきりかえもそのひとつといってよいだろう. 標準イーサネットをつかうひとには便利な機能だが,それによってもともとのイーサネットの原理はおおいかくされてしまう. それだけならそれほどの問題ではないが,単純な NIC ではおこらない問題がいろいろおこってくる.
単純な NIC なら promiscuos mode (プロミスキャス・モード) でイーサネット標準にあわないパケットをながしても問題はないが,NIC が intelligent になると,そうはいかなくなってくる. 「Realtek のインタフェースで間欠的に promiscuous mode による Ethernet 通信がとまるトラブル…」 に書いたように,ファスト・イーサの NIC なら問題にならなかったことがギガビットになると問題になってくる. ギガビットでもつかえるカードはあるのかもしれないが,注意ぶかくさがさなければならない.
とりあえずはギガビットをあきらめて,ファスト・イーサをつかうことになる. そうすると,クロス・ケーブルを復活させる必要がある. 基本的には PC どうしをつなぐにはすべてクロス・ケーブルをつかう必要があるが,各 PC に 3 個くらいずつ NIC をつけてつなぐので,かなりの数が必要だ. それほどの数のクロス・ケーブルはもっていない. とりあえず,ストレート・ケーブルではリンクアップしないところだけをクロス・ケーブルでつないだ. それで,なんとか当面必要な実験はできた.
今後のために安価なクロス・ケーブルを注文しておこう. あわせて,つかえないことがわかった Realtek 以外のギガビット NIC も,できればためしてみることにしよう.