ヴェネツィアのとなりまちメストレでの学会に KLM のフライトでいっていた. ところが,予約していたかえりの便にバスがまにあわず,ルフトハンザのフライトを あらたに買うことになった. 5000 円ほどのタクシー代を節約するためにかえってかなりたかくついたが,かろうじて 10 万円はきれる値段で買うことができ,またほぼ予定の時刻に着くことができた. もともとほぼ最安のチケットを買っていたので,それを足しても普通の範囲のコストにおさまっている.
この話は家をでるまえからはじまる. いつもはアラームつきの腕時計をもっていくのだが,出発直前になってそれをとりだしてみると,電池がきれている. 電池を交換するべく,ふたをあけてみたが,私にはできないとおもってあきらめた. しかたがないので,いつもつかっているアラームのついていない時計をつかうことにした.
ホテルのへやにはアラームつきの時計はない. もしかしたら電話でアラームをならすことができたのかもしれないが,それはしらべなかった. それでも,前日までは朝 5 時台に目がさめていたから,寝坊して 9:30 のフライトにおくれることはないだろうとかんがえていた. もっとも,以前,朝,アメリカで空港いきのバスにかけこんだことがあるから,想定内ではあった.
帰国の日,26 日は,雨はふっていなかったが雲があつくて,朝あまりあかるくならなかった. そのため,まだ朝はやいのだろうとかんがえて,いそいでおきなかった. おきて時計をみたときには,すでに 7:20 くらいだった. かろうじて 7:30 に食事とチェックアウトをしたが,ここでまた予測していなかったことがおこった.
チェックアウトに関して心配していたことのひとつは,前日まで多数の客がいたことだが,その客はすでにかえっていて, フロントの仕事はあまりなくなっていた. この点はさいわいだった. ところが,すべてをクレジット・カードでしはらうつもりでいたのに,税金だけは現金ではらえという. タクシー代ぶんの現金はかろうじてもっていたが,これでタクシー代がはらえなくなってしまった. もっとも,これまで 2 回そうしたように銀行カードかクレジット・カードをつかって,ATM でユーロをてにいれればよいのだが… イタリアの銀行の ATM はあやしくて,おろせない可能性もあるが,すくなくともすでに 2 回は成功している.
タクシーにしなかった最大の理由は現金がないことではなくて,タクシー代がたかいのでそれを選択するとあとで問題がおこる可能性があることだった. バスで問題なく空港にいけるなら,そのほうがよい. 朝おきるのがおくれたためにすこし時間をうしなったが,まだ 2 時間ちかくある. 最初のフライトは EU 内なので国内線のようなものだ. チェックインする荷物はないから,なんとかなるだろうとかんがえた. もっと正確にいえば,バスでまにあわないリスクとコストの期待値をかんがえても,タクシーにのるほうが コストがたかいだろうとかんがえた.
学会のサイトでは 1 本のバスで空港にいけるように書いてあったが,きいてみるとまずメストレ駅までいって, そこで空港いきの 15 番のバスにのりかえる必要があるという. それでも,そこから空港に 30 分程度でいけるなら,問題はないとおもった.
ところが,まず 15 番といっても逆むきのバスにのってしまった. だが,空港いきのバスは 30 分に 1 本なので,これでひと便のがすということはなかった. 気がついておりてから,道をわたった反対側でバスをつかまえた.
というわけで,ここではロスはなかったが,予想できなかった最大のできごとは,このバスがあまりにひろい範囲をカバーして いるということだった. 駅についたバスは,そこから空港とは逆の方向にはしりだした. さまざまなホテルのまえを走り,どんどん空港からはなれていく. ほとんどメストレの西のはしまでいったようだ. さらに,つぎには北の方向にむかった. そこからはあまり頻繁にはとまらなかったが,すでに 9 時をまわってしまった. 結局,出発ロビーについたのは 9:15 くらいだった. それでもまだ出発まで 20 分くらいあるから,なんとかならないかとおもった. しかし,きいてみると,すでにその便はクローズされているということだった.
そこで,あきらめてべつのフライトをさがしてもらった. きいていた場所は KLM のチケット・カウンタだが,そこでしらべたかぎりでは,日曜日まで,すべての便が うまっているということだった. KLM は SkyTeam に属しているので,SkyTeam の便はもうないということだろう.
つかいなれているのは Star Aliance なので,ルフトハンザのカウンタできいてみた. すると,10:20 のフライトがあるという. ルフトハンザなのでフランクフルト経由だ. これが 98000 円くらいであり,土曜日の 7:55 に成田につくという. 到着時刻は予定していた KLM の便とほぼおなじだ. 10 万円以下ですむのはさいわいとかんがえて,その便にした.
そのあとはすべて順調だった. いきはアムステルダム経由であり,そこできびしいセキュリティ・チェックをうけたが,フランクフルトではセキュリティ・チェックなしでのりつぐことができた. これは最近ではめずらしいことではないだろうか? 何の必要があるのかわからないが,たいていの空港ではくりかえしセキュリティ・チェックをうけなければならない. トルコでは空港外から機内にはいるまででも 2 回のチェックをうける必要があった. それにくらべるとフランクフルトは reasonable だ. なぜかゲートで再度パスポートをチェックされ搭乗券を交換したが,セキュリティ・チェックにくらべれば,たいしたことではない.